大阪・関西万博に向け、オランダエネルギーミッション団と日系企業が連携強化
(オランダ、日本)
アムステルダム発
2025年07月14日
ジェトロは7月7日、在蘭日本商工会議所(JCC)、オランダの気候・グリーン成長省(KGG)と外務省、経済省企業誘致局(NFIA)、オランダ企業庁(RVO)との共催で、「2025年大阪・関西万博 オランダ経済ミッションに向けた協力とネットワーキング」セミナーをハーグで開催した。オランダ政府は2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のテーマウイークに合わせ、15本以上の経済ミッションを派遣予定で、日蘭交流425年でもある2025年を日本とのビジネス拡大の絶好の機会と捉えている。今回のセミナーでは、9月に訪日予定の水素、洋上風力、循環型建築、サステナブルケミカル分野のミッション参加者と、在オランダ日系企業が活発な議論を交わし、9月の日本訪問に先立って関係強化を行った。
冒頭、KGGのエステル・パイス局長は、EUや日本が気候変動に対して掲げた目標を達成するには、日本とオランダの協力は不可欠と強調した。当該ミッションを通じて日本と経済面の連携を強化したい強い意向を示したほか、外務省のパビリオン責任者は5月のウィレム・アレキサンダー国王、ディック・スホーフ首相によるパビリオン訪問について報告し、パビリオン来場者は40万人を超えたと述べた。
KGG、NFIA、オランダ風力発電協会(HHWE)によるパネルセッションでは、今後の洋上風力は浮体式の拡大が見込まれる中で2カ国の協力可能性が拡大している点や、世界的な脱炭素の動きが減速する中で2カ国がどのようにエネルギー転換を加速させることができるかなどについて、議論を交わした。
後半は、オランダ企業・団体10社によるピッチセッションが行われ、訪日予定のスタートアップやオランダ応用科学研究機構(TNO)、TenneT(大手送電事業者)はミッションと日本企業との協業への意気込みを語った。9月に日本の経済産業省とジェトロが主催するGlobal Startup Expoにも参加予定のEquinox(海流発電用水中タービン開発)は「自社技術を使って世界で最も効率的に発電が可能なのは、対馬海流だという分析結果が出た。日本でのビジネス展開を目指し、投資家や共同研究相手を探したい」と熱を込めた。
KGGのエステル・パイス局長(ジェトロ撮影)
KGGとNFIA、HHWEによるパネルディスカッション(ジェトロ撮影)
Equinox社のピッチ(ジェトロ撮影)
セミナーの様子(ジェトロ撮影)
(梅田庸一)
(オランダ、日本)
ビジネス短信 8bff49bc06541696