米OFAC、ミャンマーの一部企業と個人への金融制裁対象リストから除外を発表

(ミャンマー、米国)

調査部アジア大洋州課

2025年07月29日

米国財務省外国資産管理室(OFAC)は7月24日、ミャンマー企業3社(グループ企業を含む)と個人4人について、金融制裁対象の「特別指定国民(SDN)」リストから除外したと公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

今回制裁が解除されたのは、KTサービス&ロジスティクス(KT SERVICES & LOGISTICS KTSL COMPANY LIMITED、KTSL)、ミャンマー・ケミカル・アンド・マシナリー(MYANMAR CHEMICAL AND MACHINERY COMPANY LIMITED、MCM)、サンタック・テクノロジーズ(SUNTAC TECHNOLOGIES COMPANY LIMITED)の3社と、その代表者など個人4人。KTSLはミャンマー国軍系の企業ミャンマー・エコノミック・ホールディングス(MEHL)からの賃借により、ヤンゴン港のターミナル運営を行っている。MCMは国軍に納入する物資の輸入を手掛けていることで知られている。

ミャンマーはハイテク防衛製品や消費財に使用されるレアアースの主要産地の1つとなっており、採掘された鉱物は中国で加工されている(7月26日、ロイター通信)。中国によるレアアースの輸出管理強化は米中対立の争点となっているが(2025年6月9日記事参照)、今回の制裁解除は中国がミャンマーで構築する資源サプライチェーンに対抗するため、ミャンマーにおける開発投資を促す目的があるというミャンマーの有識者の見方もある。なお、米財務省は今回の制裁解除の理由については、明らかにしていない。

(アジア大洋州課)

(ミャンマー、米国)

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