湖北省武漢市、水素エネルギー産業発展プランのパブコメ開始
(中国)
武漢発
2025年07月10日
中国湖北省武漢市は7月4日、「武漢市水素エネルギー産業発展3年行動プラン(2025~2027年)」に対するパブリックコメントの募集を開始した(意見受け付けは8月8日まで)。武漢市を省都とする湖北省では2024年11月8日、「湖北省水素エネルギー産業発展行動プラン(2024~2027年)」を公布している。湖北省のプランでは、武漢市を中核として、湖北省の水素エネルギー産業のレイアウトを形成するとしている(2024年11月18日記事参照)。
武漢市のプランでは、武漢経済開発区を中心に、青山区を水素の都として、東湖ハイテク区と臨空港開発区を水素エネルギー産業発展の両翼として位置づけている。2027年までの主な目標は次のとおり。
- 武漢市の水素エネルギー産業の規模を600億元(約1兆2,000億円、1元=約20円)に到達させる。このうち水素生産額は100億元、水素エネルギー応用設備と部品の生産額は400億元へ。国内の水素エネルギー産業のトップ企業を6社以上育成する。
- 水素エネルギーの応用については、化石燃料による水素製造、再生可能エネルギーによる水素製造など、多元的な供給システムを形成し、水素生産能力は年間40万トンに到達させる。三環線、四環線など市郊外の主要道路沿いなどに、水素ステーションを20カ所建設する。燃料電池自動車(FCV)の普及台数を2,500台とする。
湖北省のプランと今回の武漢市のパブコメ版を比較すると、水素生産の産業規模では、湖北省の目標に対する武漢市の目標の占める割合は約33%、年間の水素生産能力は同約27%、水素ステーションの数は同20%、FCVの普及台数では同約36%となる。一方で、水素エネルギー産業の規模と国内水素エネルギー産業トップ企業の育成数では同60%、水素エネルギー応用設備と部品で同100%となる(両プランの比較は添付資料表参照)。こうしたことから、武漢市の水素エネルギー産業発展は、水素生産や水素ステーション建設、FCV普及よりも、水素エネルギー応用設備と部品などの産業育成に重点が置かれるものと考えられる。
(高橋大輔)
(中国)
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