24H+プログラム発表、ガーナ経済の構造的変革を目指す
(ガーナ)
アクラ発
2025年07月28日
ガーナのジョン・マハマ大統領は7月2日、「24時間経済、輸出加速開発プログラム(24H+プログラム)」を発表した。24H+プログラムはマハマ政権にとって目玉政策の1つで、「国家のリセット(National Reset)」と位置付け、輸入依存と資源輸出から脱却し、生産性向上と輸出能力強化によるガーナ経済の構造的変革を目指している。生産拡大、輸出促進、雇用創出を目的としており、農業、製造業、物流、インフラ、繊維、医薬品といった主要産業が対象となる。
具体的な施策としては、製造業や農業加工などの工場で8時間×3交代制を導入し、24時間稼働体制を構築する。企業には税制優遇や電力料金の割引を提供、輸出手続きの簡素化や港湾の24時間化を推進といったことを挙げている。地方ではガーナ東部ボルタ湖周辺の資源を活用したボルタ経済回廊の産業拠点整備を予定している。24時間稼働にかかる夜間勤務に対応する保育、交通、医療サービスの整備や、新たな労働力としての若者・女性への職業訓練も実施する。
プログラムは8つの柱で構成しており、それぞれがガーナ経済の重要分野をカバーする。
- Grow24:農業生産性と食料安全保障の強化
- Make24:製造業と工業化の再活性化
- Build24:インフラ・住宅・公共事業の加速
- Show24:創造産業・文化・観光資源の活用
- Connect24:物流・エネルギー・デジタルインフラの整備
- Fund24:革新的な資金調達(信用保証・ベンチャー資本など)
- Aspire24:人材育成・倫理・デジタル能力の強化
- Go24:宗教・教育・市民参加などの動員による国家生産性の向上
同プログラムは民間主導で実施し、政府は支援的役割を担うとしている。
ガーナ政府は「総額約40億ドルと見積もられているこの新規プログラムに、さらなる民間投資を呼び込むために、政府が3億~4億ドルのシード資金を提供する」と発言しており、その多くの資金は民間セクターに期待されている。ただ、具体的な投資案件があるのか、現実的な予算見積もりなのかといった疑問の声も上がっている。今後、より個別具体的な案件の発表が予定されている。
(中川翼)
(ガーナ)
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