タクシー新制度が始動、正式なオンライン配車サービスを開始

(香港)

香港発

2025年07月28日

香港運輸署(以下、運輸署)は7月14日、シンキャブ・タクシー(星群的士車隊)に対し、初のタクシーフリート免許(的士車隊牌照、以下「免許」)を発行したと発表した。免許の有効期間は5年間で、免許を取得したタクシーフリート(以下、フリート)は、同日から正式なオンライン配車サービスを開始した。残りの4フリート(注1)に関しても、準備が整い次第、7月中に順次運行を開始する予定。

オンライン配車サービスは、各フリートのアプリまたはホームページから利用できる。事前予約の場合、料金はメーター運賃に予約手数料を加算するか、乗車前に提示された一括料金のいずれかが適用される。これらは事前に乗客の同意を得たうえで決定される。また、ピーク時など予約時の状況や乗客が希望する車種などによって料金が変動する場合がある。免許を取得したフリートは、車体の前後に識別プレートを取り付け、フロントガラスにフリート証明書を掲示することが義務付けられており、これらによって免許を取得しているフリートであるかを識別できる。

運輸署は、香港ディズニーランドや空港、カイタッククルーズターミナルなどを含む13カ所に約80のフリート専用停留所を設置した。

運輸署の陳美寶(メーブル・チャン)局長は7月14日に開催された記者会見で、今後すべてのタクシー(フリートを含む)に対し、車内防犯カメラやドライブレコーダー、GPSの設置、さらに電子決済サービスの導入を義務付ける付属法令を、1~2週間のうちに立法会(注2)に提出する方針を示した。また、「この法令により、タクシー業界が進展し変革に向かっていることをより明確に示せるだろう」との前向きな姿勢を示した。

本制度の詳細は、運輸署の公式サイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますや公式アプリ「HKeMobility」で確認できる。

(注1)Amigo、Big Bee Taxi、Big Boss Taxi、Joie。

(注2)香港立法会。日本の国会に相当。

〔黄莃倫(ケリー・ウォン)〕

(香港)

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