クアラルンプール市の酒類販売ライセンスはオフライン申請、時期にも留意
(マレーシア)
クアラルンプール発
2025年07月24日
マレーシアのクアラルンプール市役所(DBKL)は、レストランなどによる新規の酒類販売ライセンスについて、最新の手続きをこのほど明らかにした。新型コロナウイルス禍初期の2020年6月、DBKLは新規の酒類販売ライセンス申請を凍結すると発表していたが(2020年6月16日記事参照)、7月11日にジェトロがDBKLに確認したところ、2020年11月ごろにはこの措置は解除され、新ガイドラインの下で酒類販売ライセンス発行が再開していたことがわかった。7月現在、レストランなどが酒類の販売を行いたい場合、ライセンスを申請すること自体は可能だ。この際、まず店舗ライセンス(注1)を取得してから、酒類販売ライセンス(注2)の申請を行う必要がある。
DBKLによると、申請が認可されるまでの間、缶や瓶入りの地場産ビールは酒類販売ライセンスがない状態でも販売可能だが、輸入ビールやその他アルコール飲料を販売するには、事前にライセンス取得が必要だ。レストランでの酒類販売は原則、午前0時までに制限されている。娯楽ライセンス(注3)を別途有し、午前0時以降も酒類を販売したい場合は、DBKLに酒類販売時間の延長申請を行うことはできる。
なお、新規の酒類販売ライセンス申請については、「酒類販売ライセンスのガイドラインと申請書」(添付資料1参照)、「酒類販売ライセンス申請書のサンプル」(添付資料2参照)(いずれもマレー語のみ)で確認できる。オンライン申請は受け付けておらず、該当ウェブサイトも長らく更新されていないため、申請者はDBKLに直接出向き、申請書、必要書類のチェックリスト、ガイドラインの最新版を入手した上で、担当職員から詳しい説明を受けることが推奨される。
ジェトロのヒアリングを受けたDBKLの娯楽・酒税・雑務部門の担当者によると、DBKLのクアラルンプール物品税ライセンス委員会(ELBKL)が酒類販売ライセンスの新規申請審査を行うのは毎年3月、6月、9月、12月の4回。レストランの開業と同時に酒類を販売したい場合は、計画的に申請することが重要だ。レストランの施工が70~80%完了した段階で申請を始めるのが望ましいとされている。
酒類販売ライセンスに関する問い合わせは、DBKL娯楽・酒税・雑務部門(電話番号:+603-2028 2525 / 2526 / 2532)で受け付けている。
(注1)店舗ライセンスは、商業・事業・工業活動を行うためのライセンス。店舗ごとに発行される。
(注2)酒類販売ライセンスは、小売店やスーパーでの販売、卸売り、レストランやパブ、バー、カフェでの提供など、酒類の販売活動を行うライセンス。企業に対して発行される。
(注3)娯楽ライセンスは、特定の娯楽関連の活動を行うため、企業に対して発行される。
(林燕児)
(マレーシア)
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