大連市、消費を強力に振興するための措置公布
(中国)
大連発
2025年07月01日
中国遼寧省の大連市政府は6月5日、「大連市の消費を強力に振興するための若干の措置」を公布した。同措置は国と省による消費振興策を受け、消費が経済発展に及ぼす効果を高めるために大連市が制定したもので、公布日から実施された。同措置では2025年の主要目標として、1,200回以上の消費振興イベントの実施、400回以上の大型展示会・会議の開催、消費財の買い替えによる自動車、家電製品、住宅内装関連などの販売で40億元(約800億円、1円=約20元)以上の増加を設定した。
同措置では、市民の収入増加・負担軽減の推進などを含む5分野・27項目の取り組みを定めている(添付資料表参照)。各取り組みの管理窓口としてそれぞれ、大連市発展改革委員会、大連市財政局、大連市民政局、大連市人力資源・社会保障局、大連市農業農村局などを指定した。
同措置の主な取り組みは次とおり。
- 東京、ソウル、ウラジオストクとの国際航空便の再開、または増便。
- 自動車の買い替えを支援し、新エネルギー車とガソリン車に対し、それぞれ1台当たり最高1万5,000元、1万3,000元を補助。
- 2025年に新エネルギー車向け充電スタンドを1万8,000台新設。
- 人工知能+(AIプラス)消費を促進し、自動運転、スマートウエアラブル、超高解像度の映像、ブレイン・マシン・インターフェース(BMI、注1)、ロボット、アディティブ・マニュファクチャリング(Additive Manufacturing、注2)などの新技術・新製品の開発や応用拡大を促進。
- アニメ・映画、二次元、デジタルコンテンツなどの若者向けの消費コンテンツを創出し、没入型体験、デジタルアート、オンライン放送などの新しい業態の発展を奨励。
- 近代的流通システム試験都市(注3)に対する中央の財政資金3億元を活用し、条件が適用される試験プロジェクトを支援。
- 24時間営業の店舗の発展を支援。
(注1)脳と機械を接続し、信号を直接伝達し合うことで、人の神経機能を代行・補完する技術。
(注2)材料を結合して立体物を造形する製造方法。
(注3)財政部弁公庁、商務部弁公庁は2024年4月、「近代的流通システム試験都市建設の支持に関する通知」を発表した。同通知では、都市と農村部が一体的に発展し、強靭(きょうじん)な供給力を備えた近代的な商業・貿易・流通の結節点となる都市を造ることを目標としている。2024年5月の財政部弁公庁、商務部弁公庁の発表によると、大連を含む20都市が「近代的流通システム試験都市」として批准された。
(李穎)
(中国)
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