トヨタ、マハーラーシュトラ州で製造拠点設立に向けた新事務所開設

(インド)

ムンバイ発

2025年07月09日

トヨタ自動車のインド法人トヨタ・キルロスカ・モーター(TKM)は7月4日、西部マハーラーシュトラ(MH)州チャトラパティ・サンバジナガール(旧オーランガバード)に新たな事務所を開設したと自社ウェブサイト上で明らかにした外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。2024年7月にMH州政府と締結したグリーンフィールド型製造拠点(注1)の設立に向けた覚書(MoU)に基づくもので、同州での事業基盤強化の一環となる(2024年8月9日記事参照)。

新事務所はショッピングモール「プロゾーン・モール・チカルタナ」隣接の「エービーシー・イースト(ABC EAST)」内に位置し、面積は約650平方メートル。地域事業の中核拠点として機能するほか、地元当局や産業団体との連携拡充も視野に入れる。開所式には、TKMマネジングディレクター兼最高経営責任者(CEO)の吉村公一氏、副社長のスワプネシュ・マル氏らが出席した。

マル氏は「新オフィスを通じて市場との結びつきを強め、マラトワダ地域(注2)の潜在力を引き出したい。雇用創出、熟練人材の育成、持続可能な成長を後押しする取り組みを進める」と述べた。

TKMは、既に南部カルナータカ州ビダディに2つの工場を構え、イノーバやフォーチュナー、カムリ・ハイブリッドなどのモデルを生産しており、最大年産能力は34万2,000台に達する。今後はMH州でも新たな製造体制の構築を進め、教育機関への支援や職業訓練プログラムなど地域貢献策を拡充していくとしている。

(注1)既存の工場や設備を活用せず、未開発の土地に新たに建設される製造施設のこと。初期投資は大きいが、最適な設計・配置が可能となる。

(注2)州中部で州人口の17%が居住する地域。

(篠田正大)

(インド)

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