ジェトロ、大連市で日本産酒類商談会を開催、規模は過去最大

(中国)

大連発

2025年07月04日

ジェトロは6月24日、中国遼寧省大連市で、国税庁と共同で日本産酒類商談会を開催した。出展者は日本の酒造メーカーや商社、中国現地代理店を含む42社で、同市で開催した日本産酒類商談会としては過去最大の規模となった。出品された商品は、日本酒、焼酎、梅酒、ウイスキー、ワイン、リキュール、ジンなどで、約500銘柄に及んだ。大連市を中心とするディストリビューターや飲食店、小売店など約200社の購買担当者が来場した。

ワインを取り扱っているバイヤーからは、「若い世代の顧客層が増えており、爽やかで軽やかな味わいが好まれる傾向がある。リンゴ風味の爽快な切れ味の日本酒や、女性消費者に合いそうな梅酒を見つけることができ、新商品を探す良い機会だった」とのコメントがあった。また、オンラインで日本酒を販売しているバイヤーからは、「オンラインで販売する際、商品のデザインは消費者を引き付ける重要な要素の1つだ。今日は多種多様な商品が出展されている中で、中国の若者に人気が高い猫をデザインしたかわいいカップ酒に一目ぼれした。2カップが入ったお土産セットとなっており、購買欲をそそる商品だ」と、商品のパッケージの重要性を強調していた。

出展した酒造メーカーの現地代理店からは、「中国では日本酒や焼酎の消費者の若返りが進んでおり、若年層の消費行動に合わせたマーケティング戦略や商品開発が重要だ。当社では中国の市場動向を酒造メーカーと随時共有しており、若年層向けの商品として日本酒酵母を使用した焼酎を新たに開発した。あっさりした吟醸香が評判で、今日も多くの来場者から良い評価を得た」との指摘もあった。一方で、「これまでは日本料理店が主な販路だったが、消費者が酒を店に持ち込むケースが増えているため、日本料理店以外の販路を開拓する必要が増えてきた。ライブ販売に取り組んでいるバイヤーと商談しており、新たな販路を開拓したい」との意見も聞かれた。

今回の商談会では、多様な酒類商品を求める若年層が増えており、アルコール度数の低い酒類へのニーズも高まっている状況が見受けられた。ジェトロでは、日本産酒類を取り巻く中国の市場動向を把握しながら、日本企業とのマッチングを支援していく予定だ。

写真 商談の様子(ジェトロ撮影)

商談の様子(ジェトロ撮影)

(王哲)

(中国)

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