グローバルスタートアップ、けいはんなで社会実装目指す

(日本、台湾、カナダ)

京都発

2025年07月31日

けいはんな万博2025運営協議会は7月25日、「けいはんな万博2025 スタートアップフェス~世界をつなぎ、未来を創る。イノベーターが集う共創フェス~外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」をけいはんなプラザ(京都府)で開催した。

サイエンスシティ「けいはんな学研都市」(注)では、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)にあわせ、けいはんな万博2025外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが開催されている。「未来社会への貢献~次世代への解~」をテーマに、けいはんな学研都市で研究されてきた最新技術などを紹介している。

本イベントでは、国内外のスタートアップや大手企業、スタートアップ支援機関などから約300人が参加した。国内外スタートアップのピッチや大企業からのリバースピッチなどのステージセッションのほか、参加者がスタートアップの技術や実証成果を体験できるブースが設けられた。

「けいはんなグローバルスタートアップPoCチャレンジ」ピッチでは、地域の協力を得て少子高齢化や環境問題といった社会課題解決策の社会実装に取り組むスタートアップがPoC(Proof of Concept、概念実証)の中間報告を行った。日本、カナダ、台湾の3カ国・地域から、仮想現実(VR)技術やグリーンテック、ヘルステック分野などのスタートアップ6社が参加した。

スマートアクティビティセンサーを開発するカナダのアルタムビュー(AltumView)は、けいはんな学研都市の協力を得て6軒の住宅にセンサーを導入し、PoCを実施。プライバシーを守りながら、健康リスクの検出から予防につながる人工知能(AI)システムの開発を目指す。コメンテーターからは、「高齢化の進む時代において重要なテクノロジーである。地域の社会保障制度や医療との連携が進むことを期待する」などのコメントが寄せられた。最終報告は、9月30日に大阪・関西万博の夢洲本会場で行われる。

リバースピッチでは、近鉄ベンチャーパートナーズや大和ハウス工業など、関西を代表する大手企業が、スタートアップや研究者との協業を求めて、募集する協業テーマや課題を発表した。グローバルスタートアップピッチでは、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)が実施しているスタートアップ支援プログラム「KGAP+(Keihanna Global Acceleration Program Plus)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」第13期に参加中の4社が日本の協業・連携パートナーを求めてピッチを行った。登壇した関西企業とグローバルスタートアップの今後の協業連携が期待される。

(注)けいはんな学研都市(正式名称:関西文化学術研究都市)は、京都、大阪、奈良の3府県にまたがる京阪奈の丘陵地帯において、関西文化学術研究都市建設促進法に基づき、建設・整備を進めているサイエンスシティ。

(宮崎裕子、根岸廣之)

(日本、台湾、カナダ)

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