遼寧省、デジタル政府建設実施プラン発表

(中国)

大連発

2025年07月24日

中国遼寧省政府は7月2日、「遼寧省デジタル政府建設実施プラン(2025-2027年)」を公布した。同プランは、中央政府が掲げるデジタル政府建設の遼寧省での実施や、デジタル化・スマート化政府建設の加速、政府のガバナンス体制や能力の近代化推進のために制定した。2027年までの目標として、全省一体でインフラ資源を集約することや、データリソースの開放と共有を進めること、セキュリティー保護システムによる動態防御を行うことのほか、オンラインプラットフォームを活用したデジタル政府運営体制を構築することを設定した。

同プランでは、基礎的なサポートシステムの構築・完備などを含む5分野と22項目の取り組みを定めている(一部の詳細は添付資料表参照)。各取り組みの管理窓口として、遼寧省デジタル局(注1)をはじめとする省政府機関などを指定した。同プランの主な取り組みは次のとおり。

  • 政務サービス、社会ガバナンス、政府機関の執務などの分野に注力し、計算力リソースを調整して、人工知能(AI)ミドルプラットフォーム(注2)を構築し、ナレッジベース(注3)などの基礎能力を提供。
  • 遼寧省の企業向け行政サービスアプリ「遼企通」を通じて、企業向けの各種サービスを提供し、申請不要で関連優遇策を受けられるようにする(注4)。
  • 市場の管理・監督能力を向上させる。インターネットを活用したシステムの建設を強化し、監督管理・法執行に係る部門や案件、人員の連携を行う。
  • 重点分野のデジタル化された追跡監督管理を強化し、食品の一体化スマート監督管理サービスプラットフォーム「食安遼寧」(注5)の活用や、薬品のスマート監督管理システムの応用を拡大させる。

(注1)2024年1月に設立した遼寧省の政府機関で、データに関する基本的な制度設計や、データ資源の開発、利活用などの業務を担う。「遼寧省ビジネス環境建設局」としての機能も担っており、各地区、各部門のビジネス環境の整備も担う。

(注2)ユーザーのさまざまなAI活用場面に対して、共通して利用できるAIモデルを提供するプラットフォーム。

(注3)企業が有するナレッジを蓄積し、活用しやすいようデータベース化したもの。

(注4)遼寧省デジタル局が発行するアプリの「遼企通」は、企業が携帯電話で政策の照会や請願、信用照会、人材募集、融資などのサービスをオンラインで利用できるようになり、企業にとって利便性の向上が期待される。

(注5)2022年から遼寧省市場監督管理局が開発を始め、食品安全を追跡・管理するためのスマート監督管理サービスプラットフォーム。

(李穎)

(中国)

ビジネス短信 616111f13cc0db47