エジプトでドイツのボッシュ・シーメンス家電工場稼働、5,500万ユーロ投じ半数を輸出
(エジプト、ドイツ、日本、韓国、中国、トルコ)
カイロ発
2025年07月02日
ボッシュやシーメンスブランドの家電を生産するドイツのBSH(BSH Hausgeräte GmbH)が6月28日、エジプトのカイロ北東に位置するテンス・オブ・ラマダン市にある敷地面積8万平方メートルに及ぶ工場の稼働式を開催した。アフリカにおける初の工場で、BSHが5,500万ユーロを全額出資した。式典には、ムスタファ・マドブーリー首相ほか、シェリフ・エル・シェルビニー住宅・公共益事業・都市開発相、投資・フリーゾーン庁(GAFI)のホッサム・ヘイバ長官、ユルゲン・シュルツ駐エジプト・ドイツ大使、BSH取締役兼セールス・サービス部長のルドルフ・クロッハー氏などが参加した。
BSHエジプト最高技術責任者兼取締役のムラド・ゲンディ氏は、「この工場では板金、プレス工程、最終製品組み立てを初期フェーズで実施し、徐々にホーロー塗装や静電塗装の自動化ラインを導入していく」と述べた。初期の出荷製品はガスコンロ年間35万台になり、約半数をアフリカ、中東、オーストラリア、カナダ、南米に輸出する予定だ。また、工場の直接・間接雇用は約1,000人が見込まれるという。
エジプトには、世界からすでに多くの家電メーカーが進出している。日本のシャープは2024年7月、エジプトの家電製造・販売大手エルアラビ(Elaraby)との間で、新型冷蔵庫製造に向けた合弁会社設立契約を締結した(2024年8月2日記事参照)。両社は2004年にエアコン製造・販売で協業を開始して以降、シャープブランドのエアコン、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、テレビの5製品を生産している。韓国のサムスン電子は、2022年11月に携帯端末の生産を開始した。LG電子は、有機ELディスプレーテレビ、冷蔵庫、洗濯機を生産している。中国の美的集団(Midea)の食洗機工場は2023年8月に操業開始、冷蔵庫工場は同年11月に起工式を実施した。同じく中国のハイアール(海爾)集団は、2024年3月にエアコンとテレビの試験生産を開始した。洗濯機、冷蔵庫も順次生産を開始する。トルコの大手家電ブランド、ベコ(BEKO)は同年9月に工場開所式を実施した。
(西澤成世)
(エジプト、ドイツ、日本、韓国、中国、トルコ)
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