三越BGC開業2周年、日本産品と文化の発信拠点へ
(フィリピン、日本)
マニラ発
2025年07月29日
フィリピン・マニラ首都圏のボニファシオ・グローバル・シティー(BGC)にある三越BGCが2023年7月のグランドオープンから2周年を迎えた。2周年祭は七夕祭りをテーマに4週間にわたって開催され、初日の7月19日にはマグロの解体ショーが行われるなど、台風による悪天候にもかかわらず、来場客の熱気に包まれた。
七夕祭りをテーマにした装飾(ジェトロ撮影)
同施設は、三越伊勢丹ホールディングス、野村不動産、フィリピン大手不動産会社フェデラルランドの共同開発で誕生した。商業と住宅が融合した複合施設として、現地の富裕層や中間層を中心に人気を集めている。施設内には日本食レストランやライフスタイルショップなど(注1)が並び、日本の文化を体感できる空間が広がっている。特に地下1階の飲食テナントやフードコート(注2)、ミツコシ・フレッシュ(注3)は週末になると、フィリピン人の家族連れでにぎわう。また、2024年4月にはニトリがフィリピン1号店を出店(2024年5月1日記事参照)したことで、品質が良くてコストパフォーマンスの高い日本の雑貨やキッチンウエアなど、フィリピンの消費者の関心をさらに集めている。
ミツコシ・フレッシュで実施されたマグロの解体ショーに集まる人々(ジェトロ撮影)
ジェトロは同施設の先行オープン時から、三越BGCと連携して各種プロモーションを実施している。例えば、日本食品企画展として、2023年2月に「ぬくもりバレンタインフェア」、2023年11月に「おくりものホリデーフードフェア」(2023年12月1日記事参照)、2024年2月には北海道産ホタテなど日本産水産物の魅力を伝える「A Seafood Festival」を開催した。
直近では、2024年12月に日本産イチゴのフィリピン向け輸出が解禁され、2025年2月から三越BGC内で販売を開始し(2025年2月19日記事参照)、販売促進支援を行った(注4)。遠藤和也・駐フィリピン日本大使やフィリピン人インフルエンサーが出演し、プロモーション動画を撮影した。来季もプロモーションを実施する予定だ。
日本産イチゴのプロモーション撮影(ジェトロ撮影)
三越BGC館長の川口洋司氏は「開業以来、テナント数を拡充し、入店客数はグランドオープン時の約2倍になった。今後もより多くのフィリピンのお客さまに『Feel Japan, Experience Japan』をテーマに、新しいライフスタイルをご提案しつつ、日本企業のフィリピン進出に当たってのブランディング起点としても役立てるよう、モールの磨き上げを行っていきたい」とコメントした。
三越BGCは今後も地域との連携や文化発信を通じて、日本とフィリピンの架け橋としての役割を強化していく方針だ。
(注1)和食の「千両」や婦人アパレル「SNIDEL/FRAY I.D」など、日本ブランドが約5~6割を占める。
(注2)「頂(ITADAKI)フードコート」は、12テナントのうち半数が日本ブランド。
(注3)ミツコシ・フレッシュは、三越BGC内にあるスーパーマーケット。ミツコシフェデラルリテールが運営する直営店で、日本産食品が多数販売されている。購入したすしやステーキ、ワインなどを店内で飲食できるイートインスペースも人気。
(注4)ジェトロ・マニラ事務所の公式フェイスブックやインスタグラム
で公開中。
(笠間彩)
(フィリピン、日本)
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