オノデラユーザーラン、マニラ近郊マリキナ市立大学内に無償教育拠点を開校

(フィリピン、日本)

マニラ発

2025年07月23日

外国人教育事業や特定技能人材紹介事業を手掛けるオノデラユーザーラン(OUR)は、マニラ首都圏東部のマリキナ市立大学(PLMAR)内に、フィリピン国内では2拠点目(注)となる無償教育拠点「OUR BLOOMING ACADEMY マリキナ」を開校した。714日に、同校内で開校式が開催され、選考を通過した約50人の学生が入学した。

写真 テープカットの様子(ジェトロ撮影)

テープカットの様子(ジェトロ撮影)

同校の設立は、OUR、マリキナ市、PLMAR、マリキナ市と姉妹都市連携を結ぶ茨城県境町の4者連携の下で実現した。OURPLMARの教室や事務所の無償提供を受け、日本での就労を目指すマリキナ市民やPLMARの卒業生などに対して、介護などの専門教育や日本語の無償教育を行う。これらの教育を受けた特定技能人材の一部は境町で受け入れ、住居については町内の空き家が安価で提供される計画だ。

開校式には、OURの加藤順社長、マリキナ市のマーン・テオドロ市長、PLMARのフランクリン・E・アユソン学長、境町の橋本正裕町長、在フィリピン日本大使館の横田直文公使らが参加した。来賓あいさつで横田公使は「学生たちが日本で技能を生かし、フィリピンと日本の2国間の協力を深めていく上で、日本語教育は非常に重要であり、こうした取り組みが姉妹都市関係にある境町とマリキナ市の協力により実現したことは、大変意義深い」と述べた。

写真 実際に授業が行われる教室を訪問した橋本氏(左)、加藤氏(中央)、テオドロ氏(右)(ジェトロ撮影)

実際に授業が行われる教室を訪問した橋本氏(左)、加藤氏(中央)、テオドロ氏(右)(ジェトロ撮影)

OURはフィリピンに加え、ミャンマー、ラオス、インドネシア、インドのアジア5カ国に展開している。今後はウズベキスタン、バングラデシュ、モンゴルにも無償教育拠点を開校する準備を進めているという。

フィリピン統計庁(PSA)によると、在外フィリピン人労働者(OFW)は約216万人(2023年)だった。OFWを含む在外フィリピン人からの送金額は2024年に約345億ドルで、GDPの約8.3%を占める。また、日本の厚生労働省の外国人雇用状況に関する報告(2024年10月末時点)によれば、日本で働くフィリピン人は24万人を超え、国籍別ではベトナム、中国(香港、マカオを含む)に次ぐ3位となっている。

(注)フィリピン南部のダバオ市に2022年4月、「ONODERA USER RUNフィリピン ダバオセンター」を開設した。

(杉山咲)

(フィリピン、日本)

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