ラマポーザ・南ア大統領、BMWの新型プラグインハイブリッド車生産発表式に出席
(南アフリカ共和国)
ヨハネスブルク発
2025年07月29日
南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は7月24日、プレトリア近郊のBMWロスリン工場で生産開始となったBMWのプラグインハイブリッド車(PHEV)の発表式に出席した。BMWは2024年以降、同工場を従来の内燃機関(ICE)車の生産から転換するため、42億ランド(約349億円、1ランド=約8.3円)を投資してきた。ロスリン工場はBMWのPHEVを生産する世界で唯一の工場となる。
同社は声明で、ロスリン工場の電動化は「BMWグループのグローバル生産ネットワークで、当工場の将来性を確保するための重要な一歩」とした。ラマポーザ大統領も、BMWグループによる南ア市場への長年にわたるコミットメントを示すものとして称賛し、「プラグインハイブリッド車の当地生産は信頼の象徴であり、私たちの技術、従業員、パートナーシップ、可能性への信頼だ」と述べた。
なお、BMW幹部はメディアに対し、ロスリン工場で生産するこのモデルは米国市場への輸出はないので、南アからの自動車輸出に対する米国の輸入関税賦課や、アフリカ成長機会法(AGOA)の更新を巡る現在の不確実性の影響は受けないと述べた。
NAAMSA(南ア自動車ビジネス協議会)によると、南アの自動車輸出の4分の3はEUと英国向けとなっている。このため、当地の自動車メーカーにとっては、主な輸出先となる欧州市場向けへの対応として、新エネルギー車への生産移行が課題だ。これまでは、南アでハイブリッド車(HEV)を製造していたのはトヨタとメルセデス・ベンツのみだったが、BMWのみならず、米フォードも2023年11月、今後のPHEVの生産開始に向け、プレトリアのシルバートン工場に52億ランドを投資することを発表済みだ。
ラマポーザ大統領は政府の支援策にも言及し、電気自動車(EV)白書に記載している取り組みや自動車生産開発プログラム(APDP)に基づくインセンティブに加え、「バッテリーセルの現地調達、EV部品の製造、クリーンモビリティーの研究開発、重要な鉱物資源の選鉱(注)に関して、ターゲットを絞ったインセンティブを最終調整している」とも述べた。
(注)鉱石から目的の鉱物を取り出すための処理工程
(トラスト・ムブトゥンガイ)
(南アフリカ共和国)
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