中銀、2カ月ぶりに政策金利引き下げ、5.25%に
(インドネシア)
ジャカルタ
2025年07月23日
インドネシア銀行(BI、中央銀行)は7月16日、前日から2日間にわたって開いた理事会(金融政策決定会合)の結果、政策金利の7日間リバースレポ金利を0.25ポイント引き下げ、5.25%にすると発表した(7月16日BIプレスリリース)。併せて、翌日物預金ファシリティー金利は4.75%から4.50%へ、貸付ファシリティー金利も6.25%から6.00%へ引き下げた。政策金利引き下げは2025年5月以来2カ月ぶりとなる(2025年5月23日記事参照)。
BIのペリー・ワルジヨ総裁は今回の引き下げの背景について、「消費者物価指数の上昇率が目標範囲(1.5%~3.5%)内で推移し、通貨ルピアの相場も安定している」と指摘した。その上で、国内経済の成長を引き続き下支えする必要があるとの判断を示した。先行きについては、インフレ目標の達成と為替安定を確保しながら、さらなる利下げの余地を慎重に見極める方針を示した。
今回の利下げについて、証券会社トリメガ・セクリタス・インドネシアのファクフル・フルビアン首席エコノミストは、6月の消費者物価上昇率が1.87%にとどまり(2025年7月3日記事参照)、ルピアも安定傾向にあることから、「利下げに踏み切る余地は十分にあった」と指摘した。さらに、インドネシアと米国との間の通商協議の合意(2025年7月17日記事参照)も追い風となり、金融緩和に踏み切る好機だったとの見解を示した。同氏は、金融緩和策と政府による景気刺激策が相まって海外からの投資資金流入が促進されれば、今後一段とルピア高が進む可能性があるとした(「アンタラ」7月16日)。
(八木沼洋文)
(インドネシア)
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