上半期の貿易、米国相互関税発動前の駆け込み需要などにより輸出入とも20%超の伸び

(台湾)

調査部中国北アジア課

2025年07月16日

台湾財政部が7月8日に発表した貿易統計(速報)によると、2025年上半期(1~6月)の輸出は前年同期比25.9%増の2,832億6,059万ドルとなった。輸入は20.5%増の2,275億5,459万ドルで、輸出入ともに20%を超える伸び率になった(添付資料表1、2参照)。上半期の貿易収支は557億600万ドルとなった。

国・地域別にみると、輸出では中国は前年同期比0.4%減、香港は37.7%増だった。また、米国は51.4%増、ASEANも31.4%増と前年同期に続き2桁の伸びとなった。このほか、メキシコが3.1倍と急増した。メキシコは、近年の対米輸出の伸びと連動するかたちで伸び率の拡大が続いている。輸出全体に占めるメキシコの構成比は3.4%と、日本(構成比:5.0%)や韓国(4.1%)などを下回るが、ベトナム(2.9%)やタイ(2.4%)などを上回っている。

米国が対中追加関税を発動した2018年以降、台湾企業はASEANやメキシコなどへの生産拠点移管や台湾への域内回帰によりサプライチェーンの再編を加速させており、輸出に占める中国(香港を含む)の構成比の低下が続いている。2025年上半期には、輸出に占める中国(香港を含む)の構成比は27.9%に低下し、輸出額の大幅増が続く米国のシェアと並んだ。

輸入では、金額の大きい順に、中国が前年同期比14.0%増、ASEANが18.6%増、韓国が56.4%増となった。

輸出を商品別にみると、情報通信機器(構成比:36.0%)が63.0%増、電子部品(34.8%)が22.2%増となり輸出全体を牽引した。これら輸出が好調な品目の生産に必要な機器や部品などの輸入が増加したことにより、輸入においても、情報通信機器(12.9%)が約2倍、電子部品(28.6%)が38.3%増となった。

財政部は輸出の伸びについて、人工知能(AI)や高性能コンピューティング(HPC)の需要が拡大していることに加え、米国の相互関税の猶予期間中の駆け込み需要も輸出を後押しした、と分析した。また、輸入については、輸出の需要増に伴い設備投資意欲が旺盛だったとしている。今後の見通しについては、国際的なクラウドサービスプロバイダーがAIインフラへの投資を拡大していることや、台湾域内の半導体企業が引き続き先端プロセスの研究開発および生産を拡充していることなどは、いずれも輸出の勢いを維持する上でプラスに働くとの見方を示しつつ、米国の関税政策や地政学的要因といった不確定要素がもたらすリスクを注視する必要がある、と指摘した。

(江田真由美)

(台湾)

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