フィリピン経済特区庁長官が来日、大阪での投資フォーラムで投資環境と経済特区の魅力をアピール

(日本、フィリピン)

大阪本部海外ビジネス推進課

2025年07月30日

フィリピン経済特区庁(PEZA)と地場民間の工業団地開発業者フィリピン・サイエンスパーク(SPP)は728日、同国の投資環境や経済特区、工業団地を紹介する「フィリピン投資フォーラム」を大阪で開催した。本フォーラムでは、PEZAのテレソ・O・パンガ長官やフィリピン・サイエンスパークの代表者が講演を行った。

PEZAのパンガ長官は、フィリピンの経済概況と両国の経済関係、投資環境、経済特区の概要について説明した。フィリピンは人口が1億を超え、労働人口も平均年齢25歳と若く、経済成長率はASEANでベトナムに次いで2番目に高い国であると強調した。また、パイナップルやココナツ、バナナを中心とする果物、ニッケルや活性炭などの鉱物資源のみならず、ワイヤーハーネスや半導体チップ、船舶、ヘアドライヤー、テニスボール、サーボバルブなどの工業製品でも、世界における主要な輸出国の1つであり、フィリピンにとって日本は第2位の貿易(輸出)相手国であると指摘した。

写真 スピーチするPEZAのパンガ長官(ジェトロ撮影)

スピーチするPEZAのパンガ長官(ジェトロ撮影)

また、PEZAが監督する経済特区における企業活動はフィリピン経済の主要なドライバーとなっており、同国GDPの約13%、製品輸出額の約54%を占めているとした。そして、日本はこうした経済特区への最大の投資国であり、自動車・部品、電気機器、精密機械をはじめとする741社が進出している、と語った。経済特区は、法人税や減価償却面で他のASEAN諸国と比べて恩典が大きいほか、投資家に対してワンストップ窓口を設けているので、ぜひ、海外投資を検討中の日本企業にはフィリピンに進出してほしい、と呼びかけを行った。

比日経済委員会のリチャード・アルバート・オズモンド委員長(SPP社長兼CEO)は、両国の経済関係について、2026年は1956723日に両国が国交正常化してから70周年(注)を迎え、様々な友好イベントが開催されることに言及した。比日経済委員会は1974年に、経団連、経済同友会、日本商工会議所が協力して設立され、これまで年1回、両国間の貿易、投資、観光などの問題について討議を行っている。20257月上旬に経団連代表団が首都マニラを訪問し、フィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領を表敬訪問したと説明した。

写真 オズモンド社長による講演(ジェトロ撮影)

オズモンド社長による講演(ジェトロ撮影)

このほか、SPPのジェロニモ・M・サロンガ上級副社長から、同社が開発するフィリピンの工業団地の概要や特徴、入居企業などに関する紹介があった。なお、同様のイベントは2025年7月に東京と名古屋でも開催されており、継続的に訪日して投資誘致を呼びかけている(2024年6月28日記事参照)。

(注)1956年7月23日に日本とフィリピンとの間で、サンフランシスコ平和条約および日比賠償協定が発効したことで、両国の国交が正常化した。

(齋藤寛)

(日本、フィリピン)

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