ジェトロ、ウクライナへの官民ミッションを派遣、リビウは初
(ウクライナ、日本)
キーウ発
2025年07月16日
ジェトロは7月2日から8日にかけて、経済産業省、外務省とともに、日本企業10社からなるビジネスミッションをウクライナの首都キーウおよび同国西部のリビウに派遣した。ミッションには、ウクライナの復旧・復興に特に関心の高い日本企業が参加した。ロシアによるウクライナへの全面侵攻(2022年2月)以降、ジェトロ主催ミッションで日本企業がリビウを訪問するのは、初めての機会となった。
ミッション団は7月2日の夜、ポーランドからキーウに鉄道で入った。3日にはユリア・スビリデンコ第1副首相兼経済相を表敬訪問し、ジェトロのウクライナでの取り組みや日本企業の事業内容を紹介した。
7月4日にはキーウにおいて、日本企業の事業内容に沿うウクライナ企業を集め、ビジネスネットワーキングイベントを開催した。企業および政府関係者など150人以上が集まった。
キーウでのビジネスネットワーキングイベントの様子(ジェトロ撮影)
さらに、ミッション団はキーウでITパーク「ユニット・シティ」を訪問し、入居しているウクライナのスタートアップと交流した。また、ウクライナの最大手ホームセンターチェーン「エピセンター」のほか、流通最大手フォジーグループが運営する小売りチェーン「シルポ」、高級層向けの小売りチェーン「グッドワイン」などを訪問し、戦時下でも成長を続ける同国の消費市場の現状を視察した。
ユニット・シティを訪問、ジェトロ・キーウの柴田哲男所長が登壇(ユニット・シティ提供)
キーウ滞在中の深夜にはロシア軍によるドローンを中心とした大規模攻撃があり、ミッション団は長時間の地下シェルターでの避難を余儀なくされ、戦時下のウクライナでの生活の実情を体感した。また、ロシア軍による攻撃で破壊されたキーウの被災した施設を視察し、戦争による被害の現状を目の当たりにした。
7月6日はリビウに移動し、同市の投資局によるアレンジのもと、リビウの工業団地、大学、日系自動車部品メーカーのフジクラなどを視察した。ジェトロとリビウ市は7日に相互の協力強化およびビジネス連携の促進のため、協力覚書(MOC)を締結した。さらに、リビウ市投資局は日本企業専用の相談窓口「ジャパン・デスク」の開設を発表した(2025年7月14日記事参照)。
リビウのジャパン・デスクを訪問(ジェトロ撮影)
(坂口良平)
(ウクライナ、日本)
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