2030年までに総設備容量の大半を再生可能エネルギーに転換

(モロッコ)

ラバト発

2025年07月04日

モロッコは経済活性化のために、再生可能エネルギーをエネルギーミックスの大半とするエネルギー転換計画を示し、幾つかの戦略的取り組みに注力している。

レイラ・ベナリ・エネルギー転換・持続可能開発相が地元紙「レコノミスト」(5月27日付)に語った最新の数字によると、エネルギーミックスに占める再生可能エネルギーの割合は4月時点で、総設備容量1万2,017メガワット(MW)に対し、5,500MWとなり、総設備容量の46%に達した。

モロッコは当初、2030年までに総設備容量の52%を再生可能エネルギーで賄うという目標を設定していた。しかし、ベナリ大臣によると、モロッコは2026年末までにこの目標を達成できる見込みとなったため、国営電力・水道公社(ONEE)が管理する投資プログラムを通じて新たな目標を設定した。それは、2030年までに1万2,500MWの発電能力を追加する中、2027年末までには総容量の56%を再生可能エネルギーにすることだ。モロッコは、グリーン水素バリューチェーン全体を網羅する地域ハブとしてのモロッコの位置付けを目指す野心的なイニシアチブ「Offre Maroc」も立ち上げており、同大臣によると、モロッコは既に17カ国の国内外グリーン水素分野の主要企業から、40件近くのプロジェクトを受け入れている(5月27日付「レコノミスト」報道)。

グリーンエネルギーとエネルギー転換を進めるモロッコでは、「THE HYDROGEN CROSSROAD(水素の交差点)」と題した世界Power-to-Xサミットの開催も計画されている。第5回となるこのサミットは、2025年10月1日と2日にマラケシュで開催される。ここでは、国内外の官民関係者を含む約50カ国から2,000人以上の参加者が集まり、特に世界的なエネルギー転換の加速と、グリーン水素とクリーン燃料に基づくクリーンエネルギーの新時代の幕開けについて議論する予定だ。モロッコはこのサミットを通じ、各分野の専門家や意思決定者、研究者を集めて革新的なソリューションを見つけ、特にグリーン水素経済のテクノロジーの機会と課題を前進させるために、Power-to-Xがプラットフォームとなることを目指している。

(和泉浩之、スカイナ・マルシル)

(モロッコ)

ビジネス短信 412cbc55fffea20c