OECDがモンゴルのリスク評価を1段階改善
(モンゴル)
北京発
2025年07月17日
OECDのカントリーリスク専門家会合は、6月27日付でモンゴルのカントリーリスク分類を「7」から「6」に1段階引き上げた(改善した)と発表した(注1)。
これを受けて日本貿易保険(NEXI)は6月30日、モンゴルの国カテゴリーをHからGに引き上げると発表した。7月7日からの適用となった。これにより、モンゴル向けの貿易において、2年未満の貿易一般保険および貿易代金貸付保険(いずれも包括保険、ユーザンスは12カ月)の上限枠が5億円から20億円に引き上げられた。また、これまで引き受けられなかった限度額設定型貿易保険が、10億円までの条件付きで引き受け可能になった(注2)。また、輸出手形保険の枠も5,000万円から2億円に引き上げられた。
国際協力銀行(JBIC)も7月4日に「OECD輸出信用ガイドラインに基づくリスクプレミアム適用に係る国カテゴリー」について、モンゴルの国カテゴリーを従来の7から6に変更したと発表した。アジア・オセアニア地域では、カンボジア、ネパール、パプアニューギニア、バングラデシュ、東ティモール、ブータンと同ランクとなった。国カテゴリーが引き上げられたことにより、融資条件〔CIRR金利(注3)、融資金額の上限、融資期間、返済方法など〕や手数料、必要書類などがこれまでより緩和されるとしている。
モンゴルに対しては、主要格付け会社が2024年10月に格付けを引き上げしていた(2024年10月22日記事参照)。
(注1)OECDのカントリーリスクは、「7」が最もリスクの高い等級とされており、数字が小さくなるにつれて信用度が高くなる。
(注2)引き受け方針の新旧比較はNEXIウェブサイトを参照。
(注3)OECD輸出信用アレンジメントで規定される、輸出信用に対する公的融資に適用される最低金利。アレンジメント参加国の通貨ごとに定められており、毎月15日に設定される。
(藤井一範)
(モンゴル)
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