第2四半期のGDP成長率、前年同期比4.3%と堅調
(シンガポール)
シンガポール発
2025年07月17日
シンガポール貿易産業省(MTI)は7月14日、2025年第2四半期(4~6月)のGDP成長率が速報値(注)で前年同期比4.3%だったと発表した。第1四半期の4.1%を上回り、2025年上半期全体の平均成長率は4.2%となった(MTIプレスリリース)。
2025年第2四半期のGDP成長率を業種別にみると、製造業は前年同期比5.5%増で、化学品および一般製造業(食品・飲料、印刷業など)を除くすべての分野で生産が拡大した。建設業は4.9%増となり、公共部門の建設活動が成長を支えた。
サービス業を部門別にみると、卸売り・小売りおよび輸送・倉庫部門が前年同期比4.8%増となった。特に、水上輸送部門と機械・設備関連の卸売り部門では、米国関税措置の一時停止期間終了前の駆け込み需要が成長を牽引した。情報通信・金融・保険・専門サービス部門は3.8%増で、IT・デジタルソリューションの需要増加や銀行の活動が成長を支えた。その他のサービスは3.4%増で、海外からの観光客増加が宿泊業の成長を後押しした。
ガン・キムヨン副首相兼貿易産業相は、GDP発表に先立つ7月10日の会見で、「今年(2025年)上半期の国内経済は比較的堅調だった」と述べる一方、米国の関税措置の影響により、シンガポール経済は今後6〜12カ月で減速する可能性があるとの見通しを示した(2025年7月15日記事参照)。
(注)速報値は主に2025年4~5月の統計に基づく。
(中島諒士)
(シンガポール)
ビジネス短信 33b7b78834fff039