スビリデンコ第1副首相兼経済相が首相に、内閣を大幅改造

(ウクライナ)

調査部欧州課

2025年07月22日

ウクライナ最高会議(国会)は7月17日、ボロディミル・ゼレンスキー大統領による指名を承認し、ユリア・スビリデンコ第1副首相兼経済相を首相に任命した。また、デニス・シュミハリ首相を国防相に、アンドリー・シビハ氏は外相に再任した。

ウクライナ最高会議は同日、スビリデンコ新首相による新内閣人事案を承認した。主要閣僚は次のとおり(かっこ内は前職)。

  • 第1副首相兼デジタル変革相:ミハイロ・フェドロフ氏〔副首相(イノベーション・教育・科学技術開発担当)兼デジタル変革相〕
  • 副首相(ウクライナ復興担当)兼地域社会・領土開発相:オレクシー・クレバ(再任)
  • 副首相(欧州、欧州大西洋統合担当):タラス・カチカ(経済省次官)
  • 経済・環境・農業相:オレクシー・ソボレフ氏(経済省第1次官)
  • エネルギー相:スビトラーナ・グリンチュク(元環境保護・天然資源相)
  • 法相:ヘルマン・ハルシチェンコ氏(エネルギー相)
  • 財務相:セルヒー・マルチェンコ氏(再任)

ゼレンスキー大統領はオルハ・ステファニシナ副首相(欧州、欧州大西洋統合担当)兼法相を米国協力発展担当大統領特使に任命した。大統領は自身のSNSで17日、ステファニシナ氏を駐米ウクライナ大使とする米国との手続きが続く間、同氏は米国との関係を維持するために尽力すると投稿した。

大統領は最高会議での演説で、新内閣の重要課題として、a.規制緩和、官僚的障壁の排除、b.社会的な力を最大限に解放し、パートナーの潜在力を活用すること、c.正義(国家主権を侵害し、ウクライナの潜在力を脅かすものへの処罰)を挙げ、これらを政府全体で確実に実行すると語った。

続いて、スビリデンコ新首相が登壇し、新政権の最初の6カ月の最優先課題として、ウクライナ軍への十分な物資供給、国内での兵器製造能力の増強、軍事技術の向上だと述べ、経済の自立性を確保するために、最大限の努力を行うとの決意を示した。

(柴田紗英)

(ウクライナ)

ビジネス短信 3270f42b054d46d5