タイFDA、食品添加物におけるエチレングリコールとジエチレングリコールの混入基準を設定
(タイ)
バンコク発
2025年07月07日
タイ保健省食品・医薬品局(FDA)は12品目の食品添加物において、有害成分であるエチレングリコール(Ethylene glycol)およびジエチレングリコール(Diethylene glycol)の混入量の基準を設定した。この基準は、食品・医薬品委員会事務局告示「特定の食品添加物におけるエチレングリコールおよびジエチレングリコールの混入量の品質または規格の設定」(日本語仮訳は添付資料参照)で定められ、9月21日から施行される。
世界保健機関(WHO)の報告によると、せき止めシロップ製品の成分であるソルビトール(Sorbitol)から基準値以上のエチレングリコールが検出された。これを受け、FDAは消費者の安全確保のため、特定の食品添加物の製造工程で同有害成分に加え、ジエチレングリコールが混入している可能性があるとして、本告示で基準を設定した。FDAウェブサイトでは、説明資料が公表されている。なお、FDAのプレスリリース
によると、2024年6月にエチレングリコールが安全基準値以上に混入している可能性がある15種類の小児用医薬品シロップを回収していた。
2025年9月21日以降、ソルビトールなど該当品目の食品添加物について輸入通関時、食品登録番号を取得した製造者または輸入者は、原産国の政府機関あるいはISO/IEC17025規格の認証を取得した分析機関が発行したエチレングリコールおよびジエチレングリコールの量を示す分析報告書(Test Report)、または検査分析証明書(COA)を提示しなければならない。規定の書類を提示できない場合、係官が食品添加物を分析するため、該当商品を留め置きする。
FDAの食品登録番号が未取得の場合は、同分析機関でこれらの有害成分に関する分析が必要だ。また、本告示に違反した食品添加物を製造、輸入または販売する場合は、罰金刑または禁錮刑が科される。
(須田善也、ウォンパタラクン・ヤーダー)
(タイ)
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