2023年のEU域外におけるEU自動車産業由来の付加価値は前年比7%増

(EU、米国、中国、日本、英国)

ブリュッセル発

2025年07月30日

EU統計局(ユーロスタット)は7月16日、EU域外の財・サービスの最終消費に占めるEU自動車産業由来の付加価値は、2023年に916億ユーロとなり、2010年(527億ユーロ)に比べ74%増、前年(854億ユーロ)比で7%増に拡大したと発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。今回の発表は、EU自動車産業のグローバル・バリューチェーンの付加価値と雇用を分析する報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの一部。

消費国別にみると、米国が最大でEUの域外付加価値の20%を占めた。2位の中国は、2010年から2021年までにシェアが9%から20%まで拡大したが、2023年には16%に縮小した。3位は英国(15%)だった。2010年から2023年までの増加率をみると、中国は48億ユーロから148億ユーロ(3.1倍)と最大の増加になった一方、ロシアは32億ユーロから9億ユーロ(73%減)と最大の落ち込みになった。

一方、2023年のEU域内の最終消費に占める域外の自動車産業由来の付加価値は、前年比6%増の344億ユーロ、2010年(149億ユーロ)比で2.3倍となった。財・サービスの生産国別にみると、日本のシェアが最も高く14%、英国と中国(それぞれ12%)が続くが、日本と英国のシェアは減少傾向にある。2010年から2023年までの増加率をみると、北マケドニアの伸び率が最大で400万ユーロから1億9,400万ユーロ(48.5倍)、セルビアは6,100万ユーロから5億ユーロ(8.2倍)、メキシコは4億3,700万ユーロから29億1,300万ユーロ(6.7倍)となった。他方、ロシアは1億ユーロから6,300万ユーロ(37%減)と最大の落ち込みになった。

報告書によれば、EUの自動車産業は米国および中国と強い2国間関係がある。中国との関係は過去10年で深化し、対米関係に近い規模となった。中国の自動車産業は、EU域内の財・サービスの最終消費への影響力を高めている。EU域内の最終消費だけでなく、域内で生産された財・サービスの第三国での最終消費や、域内最終消費のための財・サービスの第三国における生産にも中国自動車産業が影響を与えていると分析した。

(大中登紀子)

(EU、米国、中国、日本、英国)

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