広東省2025年上半期の経済指標を発表、投資は減速、輸入が際立つ伸び

(中国)

広州発

2025年07月30日

中国の広東省統計局は7月18日、2025年上半期の域内総生産(GRP)が前年同期比4.2%増の6兆8,725億元(約140兆8,863億円、1元=約20.5円)だったと発表した。中国全体の2025年上半期のGDPは5.3%増の66兆536億元で、中国全体に占める広東省の割合は10.4%となった(添付資料表参照)。

主要経済指標では、一定規模以上の工業企業の工業生産増加額(付加価値ベース)は前年同期比4.0%増だった。うち、先端製造業とハイテク製造業はそれぞれ5.9%増、6.0%増となり、一定規模以上の工業企業の工業生産増加額の88.4%を占めた。製品別の生産量では、新エネルギー車(14.7%増)、リチウム蓄電池(42.2%増)、産業用ロボット(34.0%増)、サービスロボット(23.0%増)、民生用ドローン(58.2%増)などハイテク製品の生産が好調だった。

固定資産投資は前年同期比9.7%減だった。うち、不動産開発投資は16.3%減と2桁減の落ち込みで、新築商品住宅販売面積も10.6%減となった。一方、インフラ投資は鉄道や電力分野への投資が下支えし、2.1%増となった。工業投資では、自動車製造業(14.6%増)、石油石炭・その他燃料加工業(57.9%増)への投資が伸びた。

社会消費品小売総額は前年同期比3.5%増だった。消費財の買い替え支援策(「中国の設備更新と消費財買い替え推進政策の最新動向」特集参照)に関係する家電・音響機材(44.9%増)、文化・事務用品(38.5%増)、家具類(65.5%増)、通信機器(24.2%増)、建材類(35.2%増)が2桁の伸びを示した。

消費者物価指数(CPI)は前年同期比0.4%減で、生産者物価指数(PPI)は1.3%下落した。住民1人当たり可処分所得は2万8,343元となり、名目ベースで4.5%増、実質ベースでは4.9%増だった。

貿易総額は前年同期比4.0%増の4兆5,500億元だった。中国全体の伸び率(2.9%増)を上回った。

輸出は前年同期比1.1%増の2兆8,900億元だった。電気機械製品が1兆9,600億元(7.2%増)と貿易総額の67.8%を占め、うち電子部品(17.3%増)、自動データ処理装置・関連部品(15.9%増)が好調だった。一方で、家電製品(2.1%減)、携帯電話(13.3%減)、プラスチック製品(6.9%減)、衣類および衣類付属品(8.9%減)などの品目で減少したことから、輸出全体では1.1%増にとどまった。

輸入は前年同期比9.5%増の1兆6,600億元となり、中国全体(2.7%減)とは対照的な動きとなった。工業生産の安定した増加を受けて、(同生産に必要な)関連製品への需要が増加したことから、電気機械製品の輸入が1兆1,600億元(19.3%増)に達し、輸入総額の70.1%を占めた。うち、中央演算処理装置(CPU)(4.2倍)、航空機部品(27.5%増)、集積回路(14.3%増)などが大きく伸びた。このほか、乗用車(48.1%増)、食用油(39.5%増)、水産品(33.4%増)、乳製品(20.9%増)、化粧品および洗浄ケア用品(8.9%増)などの消費財の輸入も拡大した。

なお、主な貿易相手国・地域別では、ASEAN(5.9%増)、香港(7.9%増)、EU(7.2%増)、台湾(26.2%増)、日本(8.1%増)、韓国(7.2%増)との貿易額が増加した。一方、米国との貿易額は8.1%減だった。

(汪涵芷)

(中国)

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