イスラエルのネタニヤフ首相、米ワシントンでトランプ大統領と連日会談、ガザ停戦や地域安定化を協議
(イスラエル、米国、パレスチナ、イラン、カタール、中東)
テルアビブ発
2025年07月11日
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は7月7日から10日まで米国ワシントンを訪問し、ドナルド・トランプ大統領、J.D.バンス副大統領、マルコ・ルビオ国務長官、ピート・ヘグセス国防長官、スティーブ・ウィトコフ中東特使らと相次いで会談を行った。
ネタニヤフ首相はトランプ大統領と7月7日、8日と2日続けて会談を行った。イスラエル首相府によると、7月8日の首脳会談では、パレスチナ自治区ガザ地区で拘束されている人質の解放に向けた取り組みが中心議題だったことを明らかにし、軍事的圧力が交渉の進展を支えていると強調した。同首相は、ガザ地区において全ての目標を達成する決意を示し、それらは「生存者および死亡者を含む全ての人質を解放し、ハマス軍の軍事力および統治能力を排除し、ガザが二度とイスラエルに対する脅威とならないことを確実にすることだ」と述べた。また、イランとの戦争における「偉大な勝利」について言及し、「平和の輪を拡大し、アブラハム合意を拡大する機会が生まれた。われわれはこれに全力で取り組んでいる」と述べた。最後に、トランプ大統領がイスラエルを支援し、断固とした行動をとり、中東とイスラエル国家に偉大な未来をもたらすための共同努力を続けていることに対して感謝の意を表した。
イスラエル首相府によると、ネタニヤフ首相は7月9日に人質家族と面会し、現在カタールで交渉している60日間の停戦案について説明した。同首相は、今回の60日間の停戦案では「生存者と死亡者を含む人質の半数の解放を目指している」とし、停戦開始時に恒久的な戦闘終結に向けた交渉を開始すると述べた。さらに、「この停戦が実現するには、ハマスの武装解除、ガザの非武装化、ハマスの軍事・統治能力の完全排除が最低条件だ」と強調した。
関連情報は、ジェトロのイスラエルとハマスの衝突の特集、イスラエルとイラン情勢の特集を参照。
(中溝丘)
(イスラエル、米国、パレスチナ、イラン、カタール、中東)
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