東洋建設、ルーマニアで自航式ケーブル敷設船の進水式
(ルーマニア、日本、ノルウェー)
ブカレスト発
2025年07月11日
海洋土木を強みとする総合建設大手の東洋建設は6月27日、最新鋭の自航式ケーブル敷設船(CLV)の進水式を行った。造船はノルウェーの世界的な造船会社バルド・グループに発注したもので、同社のルーマニア東部トゥルチャ県の造船所で作業が行われた。進水式には、東洋建設、バルド・グループ、在ルーマニア日本大使館、ジェトロ・ブカレスト事務所の代表者らが参列した。
自航式海底ケーブル敷設船の様子(バルド・グループ提供)
今回のCLV建造は、東洋建設の洋上インフラ拡大戦略の一環として位置づけられ、市場拡大が期待される洋上風力発電や直流送電事業、海洋エネルギー・資源をはじめとする海洋開発事業への施工対応を目的としている。造船を手掛けたバルド・グループは、トゥルチャ拠点で長年にわたり高度な船舶技術を提供している。今回のCLVは、同社が誇る環境性能と高い技術力を兼ね備え、厳しい海洋環境でも効率的な運用を実現する設計となっている。
進水式の様子(バルド・グループ提供)
バルド・ルーマニア造船所のクラウディオ・タボガ上級副社長は「この進水は、技術的な成果であると同時に、東洋建設との信頼と共通のビジョンに基づく強固なパートナーシップの証しだ」と述べ、両社の国際的協業の重要性を強調した。東洋建設洋上風力事業本部の村上浩三副本部長は「自航式ケーブル敷設船として国内で最大級の能力を有する本船を、これから本格化する洋上風力発電所建設事業に加え、直流送電事業や海洋エネルギー・資源開発事業へ活用して行き、海洋そのものが持つ可能性を最大限に広げ、未来につなげていくため、挑戦・貢献していく」とコメントしている。
なお、進水を終えた同船は、ノルウェーの造船所で艤装(ぎそう)および試運転を行った後、2026年6月末に正式引き渡しとなる予定だ。
(アリーナ・フタディエフ、本吉美友)
(ルーマニア、日本、ノルウェー)
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