チリの上半期の貿易、対米輸出は増加記録

(チリ、米国)

調査部米州課

2025年07月24日

チリ中央銀行は7月7日、2025年上半期の貿易統計を発表した。18日には貿易統計データベースのMonitor Comercio Exterior外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを更新し、詳細情報を公開した。それによると、輸出は前年同期比6.7%増の528億1,700万ドル、輸入は10.4%増の442億5,600万ドルだった。上半期の輸出額としては、記録の確認できる2003年以降で最高を記録した。貿易収支は85億6,100万ドルの黒字で、黒字幅は前年同期に比べ9.2%減少した。

輸出を品目別に見ると、輸出の半分超を占める鉱産物の中でも、銅関連製品の輸出が好調だった(添付資料表1参照)。チリ銅委員会によると、上半期の銅価格は428ドルと、前年同期比3.7%増を記録している。そのほか、モリブデンも60.4%増の大幅増で、42.8%減と大幅減を記録した炭酸リチウムを補った。

輸入を品目別に見ると、消費、中間財、資本財の全てで増加した(添付資料表2参照)。特に資本財は前年同期比20.2%増で、トラック、牽引車、産業用機械のいずれも2桁増を記録した。一方で、エネルギー製品は、石油や石炭などの国際価格下落を背景に、減少が目立った。

輸出入を国別に見ると、中国が引き続き第1位の貿易相手国(輸出構成比:36.8%、輸入構成比:26.9%)だが、輸出は前年同期比1.2%増の微増にとどまった(添付資料表3参照)。一方で、第2位の貿易相手国・米国向けの輸出は21.4%増を記録した。米国は4月にチリにも10%のベースライン関税を上乗せしたため、特に第1四半期(1~3月)の対米輸出は33.8%増を記録した。これは駆け込み需要とも考えられるが、4、5月も対米輸出は前年同月比で減少していない。6月のみ5%の微減だった。今後の対米輸出の動向が注目される。

(佐藤輝美)

(チリ、米国)

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