ウズベキスタンのミルジヨエフ大統領がアゼルバイジャンを訪問、欧州向け物流とエネルギーの協力に進展

(ウズベキスタン、アゼルバイジャン)

タシケント発

2025年07月11日

ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領が7月2日から4日まで、アゼルバイジャンを公式訪問した。両国の貿易・投資拡大のほか、欧州との接続を見据えた物流やエネルギー分野での協力が進展した。

本訪問は、アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領が2024年8月にウズベキスタンを公式訪問したことを受けたもの。その際、両国大統領によって同盟関係条約が締結され、2国間関係が格上げされていた。

今回の訪問において、2030年までに2国間の貿易額を年間10億ドル(2024年は2億5,350万ドル)に引き上げる目標が承認された。また、2国間投資額についても年間10億ドルに引き上げることが合意された。

両国首脳出席の下で交換された主な2国間文書は次のとおり。

  • 2025~2029年の同盟関係条約実現のためのロードマップ
  • 2025~2026年の産業協力プログラム
  • 海運・造船分野での協力議定書
  • 環境保護分野での協力に関する政府間協定
  • 科学・専門および高等教育分野での協力に関する政府間協定

両国は、欧州向け物流の共同推進についても議論した。両国首脳は、ウズベキスタンを経由してトルコや欧州へ通じるカスピ海横断国際輸送ルート(中央回廊)の進捗を議論。2024年のアゼルバイジャン経由のウズベキスタン貨物輸送量は25%増の109万1,700トンに上ったことが確認された。

ウズベキスタンのイルホム・マフカモフ運輸相は、カスピ海フェリー運営へのウズベキスタン企業の参入や、カスピ海横断輸送路での共同物流会社設立、バクーおよび第三国の港湾での倉庫や物流センターの建設について協議していると述べた。加えて、アゼルバイジャンがウズベキスタン貨物のコンテナ鉄道輸送料の優遇措置(最大70%の割引)を2026年末まで延長したことも明らかにした(「Gazeta.uz」7月4日)。

エネルギー分野での協力も展開している。首脳会談に先立つ7月1日にバクーで、アゼルバイジャン、ウズベキスタン、カザフスタンの電力会社の間で、ウズベキスタンとカザフスタンからカスピ海を横断して欧州向けに電力を輸出する事業を実施する合弁会社の設立合意書が調印された。ウズベキスタンのエネルギー省によると、本事業ではルーマニアまでの送電ケーブルの敷設が予定されており、建設費用は20億ドル超。カスピ海を横断し欧州に電力を輸出する計画は、2024年5月に3カ国間で協力覚書が締結されていた(2024年5月16日記事参照)。

(ウラジミル・スタノフォフ)

(ウズベキスタン、アゼルバイジャン)

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