ラムドン省、バオロック~リエンクオン間高速道路を着工

(ベトナム)

ホーチミン発

2025年07月14日

ベトナム中部高原のラムドン省人民委員会は6月29日、バオロック~リエンクオン間の高速道路の着工式を実施し、グエン・ホア・ビン副首相ら政府関係者が出席した(「ラムドン」電子新聞6月29日)。

同プロジェクトの総投資額は17兆7,000億ドン(約991億円、1ドン=約0.0056円)で、地場の複合企業T&Tグループ、フオンチャン投資グループ、フオンタイン交通建設投資による共同事業体が官民パートナーシップ(PPP)方式(注)で建設する。建設期間は30カ月を予定しており、2027年第4四半期(10~12月)に本格稼働する見込みだ(VNエクスプレス6月29日)。

道路の全長は73.6キロで、第1期では幅17メートルの4車線を整備し、最高速度は時速80キロに設定する。最終的には幅を24.7メートルまで拡張し、最高速度を時速100キロまで引き上げる計画だ。起点は同省バオロック市ロクファット街区に設け、建設予定のタンフー~バオロック高速道路(ドンナイ省とラムドン省)と接続する。終点は現在運用中のリエンクオン~プレン高速道路と接続する。

ドンナイ省のザウザイ高速道路からラムドン省のリエンクオン高速道路まで、全長200キロ以上の高速道路網が形成されれば、ホーチミン市とラムドン省ダラット市間での移動時間は約6時間から約3時間に短縮される。高速道路網の整備により、国道20号線の交通渋滞や事故リスクが緩和されるほか、ドンナイ省とラムドン省への観光客や投資の誘致促進も期待される(添付資料図参照)。

また、同高速道路は道路交通網に接続するだけでなく、2024年6月に中部高原地方で初の国際空港となったリエンクオン空港へのアクセス向上にもつながる(2024年7月11日記事参照)。ラムドン省人民委員会の報告によると、2025年上半期(1~6月)に同省を訪れた観光客数は前年同期比22.9%増の620万人、うち国外からの観光客は同64.5%増の49万5,000人と推定されている(ラムドン電子新聞6月26日)。

(注)「Public Private Partnership」の略で、公共サービスを提供する上で、行政と民間が連携して事業を行う方式。民間企業の資金やノウハウを活用することで、公共サービスの質向上や、行政効率化を図ることを目的とする。

(ティエン・グエン、新田和葉)

(ベトナム)

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