セネガルのソンコ首相が中国公式訪問、戦略的パートナーシップ強化を確認
(セネガル、中国)
アビジャン発
2025年07月14日
セネガルのウスマン・ソンコ首相は6月22~27日、中国天津市で開催された夏季ダボス会議の参加に併せて、2国間の戦略的パートナーシップ強化を目的に、中国を公式訪問した。中国の習近平国家主席は27日のソンコ首相との会談で、両国の連帯と協力のさらなる強化、包括的な戦略的パートナーシップの深化とともに、中国企業によるセネガルへの新エネルギー分野やデジタルインフラ建設への投資と、ウィンウィンの協力関係を奨励した。
ソンコ首相はこの会談で、中国がセネガルの信頼できるパートナーであり、両国の関係は相互尊重や相互支援、回復力、安定性を基盤として、幅広い協力分野で着実な進展があったと述べた。セネガルは「一つの中国」の原則を堅持し、中国との戦略的包括的パートナーシップの深化、「一帯一路」イニシアチブの枠組みで協力促進を支持する立場を明らかにし、また、国際的・地域的な問題で中国と緊密に調整し、グローバルサウスの団結と協力を促進していく意向を表明した。
また、ソンコ首相は中国国家国際発展協力署(CIDCA)や、中国輸出入銀行(CEXIM)、中国開発銀行(CDB)、中国工商銀行(ICBC)のトップらと精力的に会談を重ねた(6月26日「ル・ソレイユ」紙報道)。
ソンコ首相の訪中に合わせて、セネガル政府主催の中国・セネガル経済フォーラムが22日に杭州市で開催され、産業、住宅、交通分野で複数の案件合意や覚書が結ばれた。同首相は国家戦略「セネガル2050:変革の国家アジェンダ」の目標達成に向けて、民間セクターの重要性を強調し、中国企業に対してセネガルへの投資誘致促進をアピールした。セネガル投資促進・大規模公共工事公社(APIX)によると、2023年の中国の対セネガル直接投資は6,650億CFAフラン(約1,729億円、1CFAフラン=約0.26円)を超えており、9,938人の雇用が創出されたという〔「エコフィンエージェンシー」(アフリカ情報紙)6月23日付報道〕。
そのほか、報道各社によると、ソンコ首相は、政府が推進するデジタル戦略「テクノロジー・ニュー・ディール」実施パートナーの中国通信大手の華為技術(ファーウェイ)を訪問し、データセンターの近代化や、IT機器の組立工場の設立、若手人材育成などの新たな戦略的パートナーシップを締結した。さらに、オンライン取引大手アリババの本社も訪問し、2026年ダカールで開催されるユース・オリンピックへの支援やデジタル技術分野の若手人材育成などの戦略的パートナーシップについて協議した。
中国は2016年からセネガルと包括的戦略パートナーシップを結び、多岐にわたるプロジェクトを通じ、セネガルのインフラ整備に大きな役割を果たしてきた。「ル・ソレイユ」紙(6月25日付)によると、セネガルのバシル・ジョマイ・ファイ大統領は就任後初の外国訪問として、2024年9月に中国を訪問し、中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)の共同議長を務めた。
(渡辺久美子、橘欣子)
(セネガル、中国)
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