サウジアラビア中銀、新電子商取引決済インターフェースの導入発表

(サウジアラビア)

リヤド発

2025年07月14日

サウジアラビア中央銀行(SAMA)は7月7日、国内決済インフラの効率性向上と、電子商取引分野の急速な成長に対応するため、新たな電子商取引決済インターフェース(注)の導入を発表した。

新インターフェースにより、電子商取引サービスプロバイダーは国内決済基盤のマダ(mada)システムと、グローバルな決済ネットワークとの統合が可能となる。これにより、技術仕様が統一・簡素化され、利用者にとって多様な決済オプションが提供可能となる。

また、電子商取引事業者への金融支援を強化するため、銀行や金融機関が革新的な融資ソリューションを提供できるよう、一元化された登録サービスも併せて導入する。

サウジアラビアの電子商取引の課題として、詐欺や偽サイトによる消費者信用失墜への対応や、返品・返金ポリシーの明確化、中小企業のデジタル化の遅れに伴うオンライン販売への未対応などが挙げられる。

今回の施策は、電子決済エコシステム全体の強化を目的とし、将来的な電子商取引の発展を支えるインフラを整備するというSAMAの戦略の一環だ。

ペイメントカードのトークン化など先進的なセキュリティー技術を活用し、電子決済取引の安全性を大幅に向上させることができるほか、オンラインビジネスの継続的な拡大、オンラインショップの増加、決済ゲートウエーや技術サービスプロバイダーの多様化にも対応するとしている。

(注)オンラインショッピングで商品やサービスを購入する際の決済プロセスを円滑にするためのシステムや技術。

(林憲忠)

(サウジアラビア)

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