米ロサンゼルスのホームレス数が2年連続減少、官民連携の対策が功を奏す

(米国)

ロサンゼルス発

2025年07月22日

米国ロサンゼルス・ホームレス・サービス局(LAHSA)は7月14日、ロサンゼルス地域のホームレスの状況に関する調査結果を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。調査結果によると、ロサンゼルス郡全体のホームレス数は前年比4%減少の7万2,308人、ロサンゼルス市のホームレス数は3.4%減少の4万3,699人となり、2年連続の減少を達成している。LAHSA、市と郡のパートナー、郡のサービス提供者による協調的な努力によるものとしている。

中でも、シェルターなどの保護施設を利用せず、路上や公園などで生活しているホームレスの数は郡全体で14%減少し、ロサンゼルス市では17.5%減少した。

ロサンゼルス地域ではホームレスをシェルターなどの保護施設に入居させるプログラムを実施しており、同プログラム開始以来、6,317人に対して仮設住宅を、1,449人に対して恒久住居をそれぞれ提供してきた。特に2024年の恒久住宅供給数は過去最高となる2万7,994戸(前年比2.5%増)に達し、中でも恒久的支援付きの住宅ユニットの寄与が大きいという。

ロサンゼルス市のカレン・バス市長(民主党)は、ホームレスの減少について「私たちが迅速に行動を起こし、住宅が建設されるまで人々が路上で生活し続けるという現状を打破することを選択したため」と対策の成果を強調している。

他方、取り組みは道半ばであり、再住宅化制度がホームレスの増加数に追いつかない状況が続いている。新設のロサンゼルス郡の手頃な価格の住宅ソリューション局(LACAHSA)を通じた恒久的な住宅の開発と予防活動が、これまで以上に重要になる。主要なパートナーは引き続き協力し、データを活用して、共同の取り組みを調整していく必要があるという。

また、「ロサンゼルス・タイムズ」紙(電子版7月14日)によると、他の調査ではハリウッドなどではホームレス数が減少した一方で、スキッド・ロウなどダウンタウンの一部では増加しているとの指摘がある。ロサンゼルス郡監督官のリンジー・ホルバート氏は、郡全体のホームレス数の減少は進んでいるものの、その減少ペースは十分ではない、とコメントしている。

(堀永卓弘) 

(米国)

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