ブラジル税制改革法の基礎セミナー開催、新制度では手続き簡素化
(ブラジル)
サンパウロ発
2025年07月24日
ブラジル日本商工会議所は7月15日、ジェトロとの共催で、在ブラジル日系企業向けに、ブラジル政府が現在進めている税制改革の概要を解説する「税制改革法基礎セミナー」を開催した。SATO法律事務所の佐藤ジルセウ弁護士と、アジル・コンスルトリア・トリブタリア(ÁGIL Consultoria Tributaria)のサンドラ・フェハロニ税理士が講演を行い、2026年に施行される税制改革法について説明した。セミナーにはオンラインとオフライン合わせて約130人が参加した。
従来のブラジルの税制体制は納税者にとって複雑でわかりづらく、税務処理に時間とコストがかかるため、企業コストとなり、経営者を長年悩ませてきた。政府は透明性のある税制体制を構築することを目的に、税制改革法を国会で審議し、2026年から施行する運びとなった。佐藤弁護士はこの展開について「複雑な税制が大きく変わる重要な局面だ。納税方法で悩んでいた企業にとってはメリットになる。今回の税制改革は消費関連の税を対象としたもので、課税対象の拡大と、課税地の変更、完全な非累積課税制度の3点が主な変更点になる。また、今回の税制改革は減税ではなく、あくまで手続きの簡素化が目的だ」と述べた。
サンドラ税理士は税制改革後の優遇課税や、特殊課税、移行期間スケジュールについて解説し、現時点で各企業が準備できることとして「税務慣行を見直し、適用されている税負担や、未利用の税額控除などを把握し、税務状況の整理をすることが重要だ」と述べた。また「今契約を結んでも販売が数年後になるケースは、契約書の条項に税制変動の可能性について盛り込む必要がある」として、現在の商取引契約のレビューを呼びかけた。
質疑応答では、参加者から会計システムの移行準備について質問が上がったが、サンドラ税理士は「この制度は今後アップデートされる可能性がある。今後は国税庁が技術指導書を出す予定なので、そちらを確認し、電子インボイスのレイアウトを整えていくべきだ」と回答した。
なお、税制改革法は2026年1月から施行開始だが、2026年はテスト期間とされ、納税方法と納税額に変更はなく、2027年から段階的に移行が開始される。また、税制改革後の課税率については上院議会が今後設定し、公表する予定だ。
(伊藤優一)
(ブラジル)
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