デジタル貿易協定のDEPA、UAEとも加入交渉へ
(シンガポール、チリ、ニュージーランド、韓国、コスタリカ、中国、カナダ、ペルー、アラブ首長国連邦、エルサルバドル、ウクライナ)
シンガポール発
2025年07月02日
デジタル経済パートナーシップ協定(DEPA)合同委員会は、アラブ首長国連邦(UAE)の加入を交渉するための作業部会(AWG、議長はシンガポール)の設置に合意した(シンガポール貿易産業省の6月30日付プレスリリース参照)。DEPA加入手続きによると、加入希望エコノミー(以下、国)が加入要請を行った後に、DEPA合同委員会は当該国との間で加入手続きを開始するかどうかを決定する。合同委員会が当該国との間で加入手続きを開始することを決定した場合には、AWGを設置する。UAEは2023年6月にDEPAへの加入を申請していた。
グレース・フー・シンガポール貿易担当相は、UAEが中東初のDEPA加入希望国であることに触れながら、「UAEのDEPAへの参加は、DEPAの開放性、包括性、先進性の精神をさらに強化する。シンガポールにおける中東における最大の貿易相手国であるUAEの参加は、シンガポール企業にとって、デジタル貿易と新興技術における協力の刺激的な可能性を解き放つ」(既出プレスリリース)と語った。
DEPAは、2020年6月にチリ、ニュージーランド、シンガポールの3カ国で署名したデジタル分野に特化した協定だ。2021年1月にニュージーランドとシンガポール、同年11月にチリで発効した。2024年3月には3カ国の間でDEPAに関する議定書が発効した。2024年5月には、韓国が加入交渉を経て加入した(2024年5月16日記事参照)。
DEPAには2025年6月時点で、コスタリカ、中国、カナダ、ペルー、UAE、エルサルバドル、ウクライナが加入申請している。これらのうち、コスタリカについては2025年1月、加入交渉が実質的に妥結したと発表された(2025年1月27日記事参照)。そのほかでは、中国とカナダについては2022年8月、ペルーについては2024年12月、AWGの設置が発表された(2022年8月19日記事、2022年8月29日記事、2024年11月21日記事参照)。
(朝倉啓介)
(シンガポール、チリ、ニュージーランド、韓国、コスタリカ、中国、カナダ、ペルー、アラブ首長国連邦、エルサルバドル、ウクライナ)
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