英政府、包装の拡大生産者責任に関する初年度の料金を決定

(英国)

ロンドン発

2025年07月02日

英国環境・食料・農村地域省(DEFRA)は6月27日、包装の拡大生産者責任(Extended Producer Responsibility for packaging:EPR、2024年8月26日記事参照)の初年度の基本料金を決定し、公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2024年8月以降、3度にわたり基本料金例が示されていたが、今回が実際に課される基本料金として初めての公表となる。

これに基づき、2025年10月以降、年間売上高200万ポンド(約3億9,600万円、1ポンド=約198円)超、かつ年間包装投入量50トン超の「大規模生産者」(注)に対して、2024年の包装投入量に応じて、包装廃棄物処理費用が請求される。

今回発表された基本料金に当てはめると、750ミリリットルのガラス製のワインボトル1本(約500グラム)で約9.6ペンス(約19円、1ポンド=100ペンス)の費用負担が発生することになる。(材料ごとの基本料金は添付資料表参照)

ガラス容器を扱う飲料などの業界団体が反発

DEFRAの発表を受け、英国のビール、ワイン、スピリッツ、パブ・レストラン、ガラス製造などの6業界団体は連名で、ガラスに対する基本料金の再検討を求める声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これら業界団体は、DEFRAの発表に先立ち、6月20日にスティーブ・リード環境・食料・農村地域相宛てに書簡PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を送っていた。同書簡では、ガラスは市場に流通する容器のわずか5%に過ぎないにもかかわらず、EPRの費用の30%をカバーすることになり不均衡だとし、ガラスに高い費用を課すことで生産者がガラスよりもリサイクル性の低い素材に切り替えることになれば循環型経済の実現に逆行する、と指摘していた。

(注)「生産者」は、英国で対象品を生産する者のみならず、対象品を英国市場に輸入する者も該当する。

(林伸光)

(英国)

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