最低賃金が52万9,000ペソに、ボリッチ政権下で54%の引き上げ
(チリ)
調査部米州課
2025年07月02日
チリの新たな最低賃金を定めた法21,751号が6月28日に官報公示された。同法では最低賃金を月額52万9,000ペソ(約7万9,350円、1ペソ=約0.15円)としており、前回(2025年1月)改定時から1万8,364ペソ(約3.6%)の引き上げとなった。併せて、2026年1月には53万9,000ペソまで最低賃金を引き上げることも規定されている。最低賃金の改定は2025年5月1日にすでにチリ政府とチリ中央統一労働組合とで合意形成されていたが、議会での法案審議に時間を要していたため、5月1日まで遡及(そきゅう)して適用されることとなる。また最低賃金の改定に伴い、家族手当、単身世帯手当も引き上げられる。
今回の改定により、ボリッチ政権発足時は35万ペソだった最低賃金が約3年2カ月で54%引き上げられたことになる。またチリは、最低賃金が南米で最も高い国となった。最低賃金引き上げに伴う企業向けの対応として、政府は中小零細企業に補助金を交付し、財政的な支援を行うとしている。
(佐藤輝美)
(チリ)
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