在中国の欧州企業景況感調査、7割超が米中貿易摩擦による影響を懸念
(中国、欧州)
北京発
2025年06月06日
在中国の欧州企業の団体、中国EU商会は5月28日、景況感調査の結果
を発表した。アンケート調査は2025年1月から2月にかけて実施されたもので、503社の企業が回答した。同調査は2004年から毎年実施されている。
調査では、過去1年の中国のビジネス環境が「より困難になった」との回答が前年比5ポイント上昇し73%となり、過去最高になった。特に、化粧品では100%、土木建設では92%の企業が「より困難になった」と回答している(注1)。今後2年間における中国の競争環境の見通しについては、「楽観的」が9%にとどまり、60%の企業が「悲観的」と回答した。
中国における既存の投資または将来計画している投資を、他の市場に振り替えることを検討・実施している企業は、既存の投資についてが21%、将来の投資についてが23%となった。振り替え先は、1位が欧州(24%)、2位がASEAN(19%)だった。投資の振り替えを検討・実施する要因としては、他の市場でのビジネス機会をつかむため、中国のビジネス環境の不確実性、中国と第三国とのデカップリングの影響の軽減などが挙げられた。また、2025年における中国事業の拡大意向については、「拡大する」が38%、「拡大しない」が36%となった。「拡大する」の割合は過去最低となった。
今回調査では、米中関係についての設問も設けられた。今後1年間の米中間の緊張についての設問では、「エスカレートする」と回答した企業が58%となった(注2)。米中双方の措置による中国事業への影響に関する設問では、米中間の緊張が高まるなか、米国が採用する措置により、中国での事業に悪影響を及ぼすと想定した企業は79%となった。特に、米国が追加関税を導入することで中国事業に悪影響を及ぼすと想定している企業は59%にのぼった。また、中国が採用する措置によって中国での事業に悪影響を及ぼすと想定した企業は71%だった。中国側の措置においても、追加関税が最大の懸念事項として回答された。
中国EU商会のイェンス・エスケルンド会頭は同調査結果の発表に際し、貿易摩擦と地政学的緊張の高まりによる不確実性、中国国内経済への懸念、継続的な生産者物価のデフレは、欧州企業と中国企業の双方への重石になっていると指摘した。また、供給と需要の不均衡は利益と景況感の双方を損なうもので、より良いバランスを実現することは企業に利益をもたらし、中国をより魅力的な投資先にするだけでなく、貿易摩擦の緩和にもつながると指摘した。
(注1)回答選択肢は、「より困難になった」「ほぼ同じ」「より容易になった」の3つ。
(注2)回答選択肢は、「エスカレートする」「エスカレートしない」「わからない」の3つ。なお、「エスカレートしない」は12%、「わからない」は30%だった。
(亀山達也)
(中国、欧州)
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