科学技術・テック分野への860億ポンド投資を発表、AIでは米エヌビディアと連携発表

(英国)

ロンドン発

2025年06月13日

英国のレイチェル・リーブス財務相は6月8日、同月11日に発表予定としていた歳出見直し(Spending Review)に先立ち、科学技術・テック分野に総額860億ポンド(約16兆7,700億円、1ポンド=約195円)を投じる計画を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。新薬開発や大容量バッテリー、人工知能(AI)など幅広い分野の研究開発を対象とする。地域主導のイノベーションに重点を置き、新設の「地域イノベーション連携基金(Local Innovation Partnerships Fund)」を通じて、各自治体に研究投資の決定権を委ね、地域の強みを生かした高度技能職の創出と経済成長を図る。

AI、スーパーコンピュータ向け投資計画を相次ぎ発表、経費削減策も

6月9日にはキア・スターマー首相が国内最大のスタートアップイベント「ロンドン・テック・ウイーク」での講演で、AI拡大に向け、国内の計算能力の拡大に10億ポンドを追加で投資することを発表した。同日には米国の半導体大手エヌビディアとの間で覚書を締結外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、先端通信網のAI活用に向け、同社と英国内の産学機関との関係深化を図る。

政府は6月11日にも、スコットランドでの国家スーパーコンピュータ施設設置に向け、7億5,000万ポンドを投資する計画も発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。今夏に発表する予定の「コンピュート・ロードマップ」でスーパーコンピュータの詳細を明らかにする予定としている。

英国政府は調達効率化による経費削減も図っている。6月7日には公的部門向けの新たなデジタルツールの調達プラットフォーム「ナショナル・デジタル・エクスチェンジ(NDX)」の構築を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。プラットフォームを通じてテック製品の評価を行い、AI活用によって調達の迅速化を支援し、年間12億ポンドの経費削減を見込む。

(バリオ純枝)

(英国)

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