移民摘発捜査に対する抗議活動激化を受け、米ロサンゼルス市内の一部地域で夜間外出禁止令発令
(米国)
ロサンゼルス発
2025年06月13日
米国ロサンゼルス市のカレン・バス市長(民主党)は6月10日、同市ダウンタウンエリアに夜間外出禁止令を発令した。米国移民税関捜査局(ICE)の移民摘発捜査に対する抗議活動が激化している状況を踏まえたもので、対象時間は午後8時から翌日午前6時までとなっている。解除が発表されるまで当面の間、同時間帯の外出禁止が求められる。対象地域には日本の公的機関や金融機関、商社なども所在するとともに、日系の飲食店や小売店などが集積するリトル・トーキョーも含まれている。
法執行機関や救急隊員、医療従事者、報道関係者に加え、対象地域に居住する住民や通勤者は対象外とされているが、在ロサンゼルス日本総領事館は、適用対象外の者でも同時間帯の外出は控えるよう要請するとともに、仮に外出せざるを得ない場合は、身分証明書など必要書類を携帯するよう呼びかけが行われている。
「デーリー・ブリーズ」紙(電子版6月11日)によると、外出禁止令の発表後、ダウンタウンエリアの商店やレストランは早めに閉店するなどして、地域経済に影響が出ている。
移民摘発捜査を巡っては、バス市長が南カリフォルニア全域の20人以上の市長や議員とともに、連邦政府による捜査停止を求めており、全米市長会議や民主党市長協会も、トランプ政権による州兵派遣命令に反対する意見を表明するなど、動きが活発化している。6月9日にはカリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(民主党)が、連邦政府が州兵を派遣することに対して「侵略も反乱もない状況下での違法な権限行使」だとして提訴していた(2025年6月12日付記事参照)。
(堀永卓弘)
(米国)
ビジネス短信 d24cdc03a3c8f112