トランプ米大統領の支持率低下続く、若年層で「純支持率」が大幅に低下、世論調査
(米国)
調査部米州課
2025年06月18日
米国のドナルド・トランプ大統領の支持率平均値は6月初旬から低下傾向が続く(注1)。最近の世論調査では、若年層のトランプ氏純支持率(支持率と不支持率の差)が大きく低下していることがわかった。
経済誌「エコノミスト」と調査会社ユーガブは6月18日、トランプ政権などに関する世論調査結果(注2)を発表した。それによれば、トランプ氏の支持率は41%と6月第1週(45%)、6月第2週(43%)から低下傾向が続く。
1月時点と比較すると、全ての年齢層で純支持率が低下した。特に若年層(18~29歳)では1月時点のプラス5ポイントからマイナス39ポイントへと大きく低下した。30~44歳でマイナス1ポイントからマイナス15ポイント、45~64歳でプラス15ポイントからマイナス1ポイント、65歳以上でマイナス1ポイントからマイナス5ポイントとなった。
トランプ氏の重要事項への対応ぶりでも、純支持率が低下している。2月時点では高かった「犯罪」はプラス12ポイントから今回はマイナス1ポイント、「移民」はプラス11ポイントからマイナス8ポイントに低下した。「雇用・経済」はプラス5ポイントからマイナス12ポイント、「インフレ・物価」はマイナス1ポイントからマイナス22ポイントに大きく低下した。
カリフォルニア州では連邦移民・関税局(ICE)による移民摘発に対する抗議活動が激化し、ギャビン・ニューサム州知事の反対にもかかわらず、トランプ氏は抗議活動に対応するために州兵を派遣した(2025年6月12日記事参照)。このトランプ氏の行動については、不支持が48%と支持(41%)を7ポイント上回った。
社会保障やメディケアなどは現状維持を希望
ハーバード大学米国政治研究センターとハリス・インサイト・アンド・アナリティクスが6月に実施した世論調査(注3)によれば、連邦議会で審議中の2026会計年度(2025年10月~2026年9月)の連邦政府予算案(いわゆる「大きく美しい1つの法案」)は、貧富の差の拡大をもたらすと指摘されている。予算案に盛り込まれた電気自動車(EV)税額控除や科学研究などの政府プログラム削減は財政赤字削減のためとして正当化されると思うかという設問では、「思わない」が42%と「思う」(35%)を上回った。「分からない」は23%だった。
現状維持を希望する政府プログラムの項目としては、「社会保障」(76%)、「退役軍人給付」(75%)、「メディケア(65歳以上の国民のための医療保険制度)」(73%)、「インフラ整備」(67%)、「職業訓練プログラム」(64%)、「メディケイド(低所得層のための医療保険制度)」(64%)が上位に挙がった。
(注1)選挙情報サイト、リアルクリアポリティクスによれば、トランプ氏の各種世論調査の支持率平均値は6月7日以降低下傾向にあり、6月17日付で46.4%。
(注2)実施時期は2025年6月13~16日。対象者は全米の成人1,512人。
(注3)実施時期は6月11~12日、対象者は全米の登録有権者2,097人。
(松岡智恵子)
(米国)
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