ラオス初のグリーンボンドを発行へ
(ラオス)
ビエンチャン発
2025年06月13日
ラオスでタクシー配車サービスおよび電気自動車(EV)充電ステーション事業を行うロカ(LOCA)は6月10日、BCEL-KT証券をはじめ3つの証券会社との間でグリーンボンド(注1)発行に関する財務アドバイザリー契約および引受契約を締結した。同社は2025年末までに、機関投資家向けに250万ドル相当のラオス初となるグリーンボンド(ドル建て・キープ建て)を発行し、ラオス証券取引所に上場する計画。また、この資金で、カフェやコンビニエンスストアを併設した複合型EV充電ステーション(ロカ・グリーン・ハブ)への投資や軽自動車サイズの小型EVタクシー(ロカ・ミニ)の調達を計画している。
同社のスリヨー・ボンダラー共同創業者兼CEO(最高経営責任者)は、ジェトロのインタビュー(6月12日)に対し「同グリーンボンドはASEANが市場の透明性・一貫性・信頼性を高めるために策定した共通ガイドラインASEANグリーンボンド基準(注2)に準じて発行されるもので、日本の機関投資家のサポートを期待している」と述べた。
2018年に設立されたロカは、現在までに1,000人のアクティブドライバーを擁し、タクシーの90%以上がEVとなっている(2018年9月13日記事参照、2023年3月30日付地域・分析レポート参照)。今後、2030年までに全車両をEV化する計画だ。また、充電ステーションは全国11都県に47カ所設置している。ラオスではEVが急速に普及してきており、2025年には8,000台のEVが新規登録される見通しで、2030年には1万5,000台に達すると予測されている。
ラオス証券取引所では、同社を皮切りに再生可能エネルギー、クリーン輸送、持続可能な廃棄物・廃水管理、気候変動対策プロジェクトなどへグリーンボンドを拡大することを計画している。
(注1)グリーンボンドとは、企業や自治体などが発行する債券の一種で、グリーンプロジェクトのために低コストで長期資金を調達するためのもの。調達した資金の用途は環境問題の解決に資する事業に限定される。
(注2)ASEANグリーンボンド基準は、国際資本市場協会(ICMA)が定める「グリーンボンド原則(GBP)」に準拠している。
(山田健一郎)
(ラオス)
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