第11回中国(上海)国際技術輸出入交易会が開催

(中国)

上海発

2025年06月18日

中国の技術貿易分野における国際的な総合展示会として、上海市政府主催の「第11回中国(上海)国際技術輸出入交易会」(以下、上交会)が6月11日から13日まで開催された。

展示面積は3万5,000平方メートルで、国内および海外約20カ国・地域から981社が出展し、イノベーション技術の成果が集められた。総来場者数は5万人を超えた。

同展示会では、商用暗号・デジタルスマート製造、グリーンエネルギー貯蔵・輸送、スマート海洋エンジニアリング・装備、消費・商業科学技術の4つの専門技術展示エリアが設置された。多くの国内外重要プロジェクトが出展される中、月面基地向け「月海玄武岩繊維自動成繊装置」(注)が同展示会の「展示会の宝」に選出された。この装置は、中国月面基地での「現地での資材調達・現地での建設」を可能とし、宇宙強国の目標実現にとって重要な支えになるという。

技術移転特別展示エリアでは、オンラインとオフラインで国内外のイノベーションの成果3,035件と企業による技術ニーズ事例586件の発表があった。また、需給マッチングイベントが6回開催され、1,000回以上の商談が行われ、提携意向額は約16億元(約320億円、1元=約20円)に達したという。

展示会期間中に、イノベーション駆動型発展、知的財産権保護、技術貿易促進などの議題について、約60回の関連イベントが開催された。6月12日の知的財産権テーマデーには、上海知的財産権活動状況報告会、「一帯一路」知的財産権保護セミナーが開催された。

また、知的財産権保護について、知的財産権展示エリア・サービスステーションが設置され、「知的財産権サービスガイドライン」「上海知的財産権企業優遇政策サービスパック」の中国語版と英語版を配布したほか、世界知的所有権機関(WIPO)グローバル賞、中国特許賞金賞などの受賞プロジェクトが展示された。

今回の上交会では、双方が契約に前向きな意向を示した取引が572件と過去最高を更新し、同件数は3年連続で500件を超えた。

(注)東華大学が研究開発。月の無人・真空・低重力環境を克服した、深宇宙環境で使える超極細繊維(髪の毛の5分の1から6分の1にあたる直径10~20マイクロメートル)を自動的に製造する装置を指す。

(許蓓莉)

(中国)

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