美容・パーソナルケアの国際見本市、マニラで開催

(フィリピン)

マニラ発

2025年06月13日

フィリピンの首都マニラの世界貿易センターで6月4~6日、美容・パーソナルケアの国際見本市「コスモボーテ・フィリピン(Cosmobeauté Philippines)2025」が開催された。同見本市に日本やタイ、インドネシア、韓国、中国などから約250のブランドや企業が出展した。

開会式であいさつしたフィリピン化粧品産業協会のクリスティン・ミシェル・P・レイエス会長は、フィリピンの美容・パーソナルケア製品の消費回復はライフスタイルの変化とインフレ圧力の緩和によってもたらされ、小売りでの販売額、数量ともに、健全な成長を遂げているとの認識を示した。中でも日焼け止めやサステナブルな製品の需要が高まっているとした。また、マリア・クリスティーナ・ロケ貿易産業相は、フィリピン製品のほとんどは植物由来でオーガニックのため、市場に出回っている化学物質を多く含む製品とは異なり、有利な競争力を発揮できる可能性があるとの見解を示した。

写真 見本市開会式であいさつするロケ貿易産業相(ジェトロ撮影)

見本市開会式であいさつするロケ貿易産業相(ジェトロ撮影)

出展した化粧品OEMメーカーのコスモビューティー常務取締役の田中真也氏は、ベトナムで消費者が月収の多くを美容・パーソナルケア製品に充てていることを例に挙げ、フィリピンでも市場拡大のポテンシャルがあるとの見方を示した。他方で、出展した日本企業の中には、P&Gやジョンソン・エンド・ジョンソンなど大手外資メーカーが既に大きな市場シェアを獲得しており、新規参入が容易ではないとの声も聞かれた。

2024年のフィリピンの美容・パーソナルケア製品(HSコード3304、3305、3306、3307、3401)の輸入をみると、特に「日焼け止めを含む美容用、メーキャップ用または皮膚の手入れ用の調製品(HSコード3304)」は2億2,400万ドルと、統計で確認できる2001年以降最大の輸入額を記録している(添付資料表参照)。

(中村和生、フェリシア・インペリオ)

(フィリピン)

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