経済産業省、インド人材雇用強化の予算事業への参加募集

(インド、日本)

調査部アジア大洋州課

2025年06月18日

経済産業省は6月13日、在日インド大使館で、同省が実施する日印人材交流プログラムについて紹介するイベントを開催した(ジェトロ後援)。これは、同省が2024年度補正予算「グローバルサウス未来志向型共創等事業」として、日本企業によるインド人材雇用強化などの取り組みについて説明したもので、会場では133人が参加、オンラインでは最大151人が視聴した。

あいさつに登壇したシビ・ジョージ駐日インド大使は、日本各地で進むインド人材雇用の例を紹介しつつ、さらなる人材交流の重要性を訴えた。また、経済産業省の松尾剛彦経済産業審議官は「日本は地方部を中心に少子高齢化が進む中、インドの若く優秀な人材に日本で活躍してもらい、その知見をインドに持ち帰ってもらうという、日印のウィンウィンを期待する」と述べた。

オンラインで登壇したインド工科大学ハイデラバード校(IITH)計算機科学・工学科の片岡広太郎教授は、インド人材の強みとして、問題解決力などのほか、新しい技術を習得する能力の高さに触れ、「入学や就職が決まったからといって、そこで手を抜かない。努力を継続するスタミナのある人材だ」と述べた。また、「日本企業はインド人材の雇用で日本語能力を心配する場合が多いが、重要なのは、その人材の能力を最大限に引き出すために、どこまで日本語が必要なのかを考えることだ」とした上で、インド人材は新しい言語の習得にもたけているので、まずは安心して採用してほしいと語った。

今回説明があったのは、次の2社が実施する事業で、趣旨に基づく取り組みへの参加に対し、補助金などが支給される。7月上旬に申請を締め切るものもあり、詳細は添付資料を参照。

(1)デロイト・トーマツ・ベンチャーサポートによる「インディア・ジャパン・タレントブリッジ事業」(添付資料1参照)

  • 新卒採用に有望なインド各地の大学を巡るツアー(8~10月に3回実施予定)、日本とインドの日本企業でのインターンシッププログラム(12月の実施が中心、オフライン・オンライン)、キャリア採用セミナー(9月、12月、2026年2月の3回実施予定、オンライン)

(2)JTBによる「インド人材交流支援事業」(添付資料2参照)

  • インド人材活用セミナー(8~11月ごろ実施予定)、現地視察と交流プログラムを行うミッション派遣
写真 ジョージ大使(中央)、松尾経済産業審議官(左隣)ら登壇者(ジェトロ撮影)

ジョージ大使(中央)、松尾経済産業審議官(左隣)ら登壇者(ジェトロ撮影)

(古屋礼子)

(インド、日本)

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