5月の消費者物価上昇率は前年同月比マイナス0.57%、2カ月連続のマイナス

(タイ)

バンコク発

2025年06月12日

タイ商務省が6月6日に発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した5月のタイの消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比でマイナス0.57%(前月はマイナス0.22%)で、2カ月連続のマイナスとなった。

同省によると、5月のCPI上昇率は、主にエネルギー価格の低下や農産物の供給増などが要因で、マイナスだった。特に燃料(前年同期比マイナス9.12%)、生鮮野菜(マイナス24.9%)などが大きく下落した。他方、振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数の上昇率は1.09%となり、前月(0.98%)から伸びが加速した。

商務省は今後の見通しについて、6月のCPI上昇率は0.2~0.4%のプラスとみているが、依然としてタイ中央銀行(BOT)の目標レンジ(1.0~3.0%)を下回る見込みだ。年間予測については、経済情勢の現状を踏まえ、従来の0.3~1.3%(中間値0.8%)から0.0~1.0%(同0.5%)に下方修正した。

地元報道によると、BOTのピティ・ディシャタット副総裁は5月、「低インフレは内需の弱さやデフレを反映していない」としつつも、世界の貿易状況を考慮し、必要な場合は再び緩和政策を実施する用意もあると語っている。次回の金融政策決定会合は、6月25日に開催予定。

(藤田豊)

(タイ)

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