「アフリカ・グリーン水素サミット2025」開催、ジェトロ初出展

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2025年06月25日

南アフリカ共和国政府はケープタウンで612日と13日に、「アフリカ・グリーン水素サミット2025」を開催した。本サミットでは、アフリカのグリーン水素のポテンシャルに注目し、持続可能な成長を実現することをテーマに掲げており、アフリカの政府関係者や企業、研究者などが一堂に会した。2022年(2022年12月15日記事参照)と2023年にも開催され、今回で3回目だ。

基調講演では、シリル・ラマポーザ大統領とコシエント・ラモホパ電気・エネルギー相が登壇し、アフリカの再生可能エネルギーに優位性があることを強調し、グリーン水素がエネルギー安全保障、産業成長、雇用創出に寄与すると述べた。

ラマポーザ大統領は「EUとのパートナーシップを通じて、サソール社の年間最大40万トンの持続可能な航空燃料(SAF)生産を目指すプロジェクトを優先的に支援している」と述べ、南ア北東部、自由州、サソルバーグの試験プロジェクトが国内向けにグリーン水素の生産を開始していることや、東ケープ州のクーハ・グリーン・アンモニアプロジェクトが最終計画段階で、追加のフラッグシップ水素プロジェクトが近日中に内閣承認されることにも言及した。また、「南アはG20議長国として、経済成長と社会開発のエンジンとして、エネルギーの転換を優先課題とした。アフリカ諸国にとって水素が新たな輸出産業の架け橋になる」と締めくくった。

ラモホパ電気・エネルギー相は講演で、「南アフリカ再生可能エネルギーマスタープラン(SAREMPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を正式に発表し、SAREMは「単なる再生可能エネルギー発電の拡大ロードマップではなく、エネルギーを通して産業化を実現する青写真だ」と述べた。さらに、南アの再エネ需要の拡大(グリーン水素を含む)を利用し、太陽光発電、風力、バッテリー貯蔵、電解槽、燃料電池技術など、上流から下流までの産業開発を促進することを目指す。

ジェトロ・ヨハネスブルク事務所はジャパンパビリオンを出展し、水素バリューチェーンに関連する製品や技術を有した8社の日本企業が参加した。

写真 カンファレンス会場の様子(ジェトロ撮影)

カンファレンス会場の様子(ジェトロ撮影)

写真 ジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

写真 展示会場の様子(ジェトロ撮影)

展示会場の様子(ジェトロ撮影)

(堀内千浪、トラスト・ムヴントゥガイ)

(南アフリカ共和国)

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