ペルーの事前出入国登録審査システム「ミグラチェック」、外国人は事実上使用できず
(ペルー)
リマ発
2025年06月09日
ペルー入国管理局がペルー国籍を持つ人と在留外国人を対象に6月1日から導入した事前出入国登録審査システム「ミグラチェック(Migracheck)」は、システム対応が間に合わず、在留外国人は事実上、使用できないことが6月2日にリマ空港内で実施したジェトロの調査で明らかになった。
入国管理局は、リマ空港の新ターミナル供用開始(2025年6月5日記事参照)に合わせ、ミグラチェックの運用を開始した。同局が運営する専用ウェブサイトに渡航者の氏名、生年月日、身分証明書番号、旅程などの必要事項を登録すると空港の自動化ゲートで出入国できる仕組みだ。搭乗フライト出発時刻の48時間前から受け付ける。当面はリマ空港の新ターミナルのみで運用する。
在留外国人もウェブサイトへの情報登録は可能で、必要事項を全て入力すると参照番号が付与される。しかし、6月2日にリマ空港の自動化ゲートでジェトロ職員が利用を試みたが、受け付けられなかった。参照番号を付与しているにもかかわらず受け付けない理由について、入国審査官は「システムの整備が完了していないため、在留外国人は当面受け付けない」と説明した。また、在留外国人向け運用開始時期について複数の審査官に確認したが、明確な回答は得られなかった。ミグラチェックはスマートフォン用アプリも提供されており、在留外国人もダウンロードできるが、出入国手続きに利用できないので留意が必要だ。
新ターミナルの出国審査専用スペースの面積は、旧ターミナルの約4割減になった。運輸通信省(MTC)はミグラチェックの導入で「混雑はない」との見解を示していたが(2024年11月8日記事参照)、ほとんど利用者はなく、有人ゲートに長い列ができていた。
自動化ゲートはほとんど利用されていない。左に有人ゲートがある(ジェトロ撮影)
(石田達也)
(ペルー)
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