リマ空港新ターミナルの供用開始、給油間に合わずキャンセルの便も

(ペルー)

リマ発

2025年06月05日

ペルーのリマ空港は61日、新ターミナルの供用を開始した。翌2日には、給油作業が間に合わず、複数のフライトが時間変更とキャンセルを余儀なくされた。運輸通信省(MTC)はリマ空港の運営会社(LAP)に対し、給油を確実に行い空港の機能を活用できるよう管理する責任があるとして、早急の見直しを指示した。一方、LAPは、一部の供給が適切ではなかったが、燃料は十分に確保していると釈明した。

これに先立ち2日の午前9時ごろから、ジェトロ職員が実際に国際便を利用して、空港内の状況を確認したところ、搭乗者に混乱はみられなかったが、自動手荷物預け機の利用と荷物検査に時間がかかった。

チェックインカウンターには、搭乗者以外の人も入ることができる。自動手荷物預け機が増設されたが、同機を用いたラベル印刷を搭乗者自身が行う際、不慣れな人がいても案内する係員は少なく、ラベル印刷と荷物預けにそれぞれ長蛇の列ができていた。

写真 チェックインカウンターの様子(ジェトロ撮影)

チェックインカウンターの様子(ジェトロ撮影)

手荷物検査口から先は、搭乗者のみ入ることができる。検査機器変更により、パソコンや電子端末をカバンに入れたまま検査を受けられるが、検査官が不慣れで旧ターミナルの検査より多くの時間を費やしていた。

写真 荷物検査口の様子(ジェトロ撮影)

荷物検査口の様子(ジェトロ撮影)

イミグレーションは、新たに導入された事前出入国登録審査システム「ミグレチェック(Migrecheck)」のゲートもあるが、ほとんど使用されていない。

新ターミナルは旧ターミナルの3倍の広さがあり、入国審査後、搭乗ゲートまで長距離を歩く場合もある。LAPは、国際便利用者は3時間半前に、国内便については2時間半前に空港に到着することを推奨している。

写真 イミグレーション通過後、搭乗ゲートまで続く通路(ジェトロ撮影)

イミグレーション通過後、搭乗ゲートまで続く通路(ジェトロ撮影)

ペルーへの入国時は国内便と国際便で経路が分かれている。国際便は出口が2カ所あるが、62日現在、1カ所しか使われていない。日本からの出張者と現地駐在員は、ここで待ち合わせると確実に会うことができる。

写真 国際便から降り立った搭乗者はこの出口を通るので待ち合わせ場所によい(ジェトロ職員は出国者イメージ、ジェトロ撮影)

国際便から降り立った搭乗者はこの出口を通るので待ち合わせ場所によい(ジェトロ職員は出国者イメージ、ジェトロ撮影)

その後、国内便と国際便の利用者が合流し、ターミナルビルの出口は3カ所ある。

写真 ターミナルビル出口は全部で3カ所ある(ジェトロ撮影)

ターミナルビル出口は全部で3カ所ある(ジェトロ撮影)

ターミナルを出ると、公式タクシーの案内所がある。担当者によると、グリーン(Green)タクシーが運営している。料金はエリアごとに決められているので、ホテル名など行き先を伝えると教えてくれる。案内所で前払いする。支払い方法は現金(ドル、ソル)、クレジットカード、デビットカード、ペルー居住者が使用できるデジタル通貨「ジャペ(Yape)」と「プリン(Plin)」がある。出口付近には、客に「タクシーを使うか」と客引きする者が多くみられ注意を要する。

写真 公式タクシーの案内所(ジェトロ撮影)

公式タクシーの案内所(ジェトロ撮影)

(石田達也)

(ペルー)

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